大一番で先制トライを挙げた東福岡のFB高野恭二(撮影:早浪章弘)
大阪・近鉄花園ラグビー場で開催されている第94回全国高校ラグビー大会は1月3日、準々決勝が始まり、第1試合では春の全国選抜大会を制した東福岡(福岡)が、連覇を目指した昨年度王者の東海大仰星(大阪第2)に43-12で快勝した。
Aシード同士。優勝候補の筆頭と目された両チームは頂上へたどり着く前に激突し、仰星が敗退した。夏の全国7人制大会でも優勝し、史上初の3冠を狙う東福岡は序盤から圧倒。
前半1分過ぎ、自陣での左への大きな展開から、WTB岩佐賢人がハンドオフで2人をかわし、サポートしたFB高野恭二が約50メートルを走り切って先制。5分にはCTB永富晨太郎が敵陣10メートルラインから抜け出して追加点を挙げると、22分にはWTB高野蓮が鋭く防御網を切り裂いて差を広げる。
ブレイクダウンでも東福岡が優勢で、前半はほとんど攻撃チャンスがなかった東海大仰星は27分にゴールに迫ったが、密集でモスグリーンの男たちにターンオーバーされ、得点できなかった。
21-0で迎えた後半の4分にも、東福岡は中盤左で強烈なタックルからボールを奪い返し、右へ大きく展開して、WTB高野蓮が走り切った。9分には突破力があるFB高野恭二とCTB永富がまたも躍動し、チーム5トライ目を挙げる。18分にはゴール前ラックから途中出場のPR土山勇樹が押し込み、勝負を決めた。
東海大仰星は25分にWTB小原錫満が右隅に飛び込み、試合終了間際には全員でつないでトライを奪う意地を見せたが、ベスト8で涙をのんだ。