ラグビーリパブリック

國學院久我山 関東勢唯一の8強入りへCTB豊田が一仕事

2015.01.02

kugayama

力強くボールを運ぶ國學院久我山のCTB豊田康平(撮影:早浪章弘)

 全国高校ラグビー大会の3回戦が1日、東京・花園ラグビー場であり、東京第1地区・國學院久我山高(2年ぶり39回目出場)が昨季4強の大阪第3・大阪桐蔭高(3年連続9回目出場)に17-15で勝利。後半ロスタイムでの逆転劇を演じ、殊勲のCTB豊田康平も安堵の顔つきを浮かべた。

 攻めてもあまり点が取れないゲームにあって、後半26分に3点ビハインドを背負った。12-15。「(大型選手の多い)BKには立って突破する力がある」と胸を張るCTB豊田だが、この日はその「突破」が単発に終わったと反省。サポートが遅れ、団結力ある大阪桐蔭の守備に球をかすめ取られた。

 逆転トライを奪った場面でも、やや冷や汗をかいたという。味方FW陣が敵陣ゴール前左でラックを重ねるなか、右側にスペースがあるとCTB豊田は早めに察知。大声でボールを呼び込むも、メッセージは歓声にかき消された。

 もっとも、球さえもらえば事前のイメージ通りにパスを放つ。右タッチライン際へWTB佐藤航大を飛び込ませ、「自分たちの声が最後に届いた」と笑うのだった。

 身長184センチ、体重86キロ。8月には中国・南京で、14〜18歳が対象の世界大会であるユースオリンピック2014に男子7人制ラグビー日本代表主将として出場。高校日本代表候補にも選出されている大型ランナーだ。

「腰を取られない」ようにと前後に両足を広げた前傾姿勢となり、相手のタックルを受け止める。大阪桐蔭高戦では、相手に自分の尻をぶつけた反動で前進する「ロール」と呼ばれるランニングスキルも多用した。この試合に向けたビデオ分析のさなか、対するFL鬼頭悠太が同様のプレーをしていたことを発見。「自分もやってみよう」と思ったらしい。

「人がどういうふうに相手をかわすか、勉強しています」

 3日の3回戦では、奈良・御所実(2年ぶり9回目出場)と激突する。同じユースオリンピック経験者のWTB竹山晃暉副将を前に、どんなパフォーマンスを示すか。

(文:向 風見也)

Exit mobile version