ラグビーリパブリック

全国ジュニアラグビー大会 福岡県選抜が連覇!

2014.12.31

Fukuoka

大晦日の花園で躍動したジュニア選手たち。福岡県選抜(赤)が長崎県選抜を倒し優勝
(撮影:松本かおり)

 攻撃力の高いチームは、頂上決戦で何度もディフェンスから好機をつかんだ。奪ったトライは5つ。快勝だった。12月31日に花園ラグビー場でおこなわれた全国ジュニア大会の第1ブロック決勝で、福岡県選抜が長崎県選抜を29-7と破り、頂点に立った。大会が現行方式でおこなわれるようになった第10回大会以降では、2大会連続4回目の優勝となる。

 1回戦で京都府中学校選抜相手に19-14。準決勝は神奈川県スクール選抜に17-5だった。僅差のゲームをものにしてたどり着いたファイナル。福岡は開始直後から好タックルを連発して長崎陣内に攻め込んだ。開始2分、連続攻撃からSO隠塚翔太朗(りんどうヤングラガーズ)が防御を切り裂いて先制トライ。10分にはPR山下拓真(りんどうヤングラガーズ)が右サイドライン際を走って追加点を挙げた。
 12-0とリードして迎えた後半も勢いは衰えない。4分にCTB稲吉渓太(りんどうヤングラガーズ)、8分にSH平尾剛士(玄海ジュニアラグビークラブ)と相次いでトライラインを越えて24-0と勝負を決めた。長崎も見事なスキルとサポートで1トライを返したが(後半15分)、笑顔でフルタイムの笛を聞いたのは真っ赤なジャージーだった。

 8月からセレクションが始まり、9月から週末や祝日に練習を重ね、この大会への準備を進めてきた。主将を務めたLO福井翔大(かしいヤングラガーズ)は、今大会で大きな結果を残せた理由を「絆」と話した。
「練習から言い続けてきたことではあったけど、実際に大会に入って、試合を戦っていく中でチームとしての絆が深まったことがいちばんの勝因になったと思います。練習ではどうしても得られないものを、試合前のみんなの涙や、試合中のコミュニケーションなどで作っていけた」
 キャプテンは何度も言ってきた。
「個々も強いし、一人ひとりいいものを持っていると思うけど、自分を出し過ぎではダメ。チームになることをいちばんに考えよう」
 リーダーと仲間の思いが最後の最後に形になって、最高のフィナーレを迎えられた。

 東福岡高校へ進学したいと言う主将は、この日のメンバーのうちの三分の二ほどが高校でもチームメートになるはずと笑った。
 トップチームでの競争は大変そう。そう問うと、「またここ(花園)に戻ってきたい」と将来の夢を語った。
「(試合に)出られる、出られないより、自分をみがきたいと思っているんです」
 こころざし高き男は歩調を緩めることなく、次の目標へ向かって歩み出す。

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