また新たな日本人のスーパーラグビープレーヤー誕生だ。オーストラリアの西部パースを本拠地とするウェスタン・フォースが18日、現在パナソニックワイルドナイツに所属する日本代表のWTB山田章仁と1年契約を結んだと発表した。主力選手たちと一緒に35名のシニアスコッド入りとなる。
山田はパナソニックを通じ、「ウェスタン・フォースの一員として、スーパーラグビーに挑戦できることを非常に嬉しく思っています。パナソニックを始めとして、今までサポートしてくださった方々のためにも、自分の良さを出し、素晴らしいシーズンにできるよう頑張りたいと思います」とコメント。
クルセイダーズの指揮官時代にスーパーラグビー優勝を5回遂げているパナソニックのロビー・ディーンズ監督は、「アキ(山田)にとって、今回の決定は本当に喜ばしいニュースだと思います。そして、スーパーラグビーという、高いレベルでプレーできる舞台に、また1人選手を送り出すことができることは、パナソニックにとっても非常に嬉しいことです。私たちは、これが選手にとっても、チームにとっても素晴らしい機会になると信じています。アキは、より優れた選手になって戻ってきてくれるでしょう」とエールを送った。
パナソニックからスーパーラグビープレーヤーが誕生するのは3人目。2013年2月22日にSH田中史朗(ハイランダーズ)とHO堀江翔太(メルボルン・レベルズ)がデビューを果たし、彼らも3季目の舞台に挑戦することが決まっている。昨年3月に日本代表3人目のスーパーラグビープレーヤーとなったCTB/WTBマレ・サウ(ヤマハ発動機)は来季もレベルズでプレーすることが濃厚で、さらに2015年シーズンは同じく日本代表(サントリー)のFL/NO8ツイ ヘンドリックがオーストラリアのレッズに新加入決定。代表主将である東芝FL/NO8リーチ マイケルのチーフス(ニュージーランド)入りも10月に発表されており、ジャパンの6選手が世界最高峰リーグともいわれる舞台で競演することになった。
山田は福岡県出身の29歳。小倉高校、慶應義塾大学、ホンダヒートを経て、2010年からワイルドナイツの一員として活躍している。2010年度と2013年度は同チームのトップリーグ優勝に貢献してプレーオフトーナメントMVPに輝き、2012年度はリーグ戦で20トライを挙げ最多トライゲッターとなった。
2012年には日本社会人アメリカンフットボールXリーグのノジマ相模原ライズに加入し、ラグビーとの二刀流が話題に。海外でプレーしたいという思いは以前から持っており、2013年にはニュージーランドのオタゴ地方代表に加わりスキルを磨いた。
2013年11月のロシア戦で日本代表デビューを果たし、現在10キャップ。来年のワールドカップでも活躍が期待されるスピードスターであり、スーパーラグビーでひと回り成長したいところだ。
2015年スーパーラグビーのフォースの開幕戦は2月15日。山田がいつオーストラリアへ旅発つかは不明だが、トップリーグは2月1日がファイナルで、日本選手権は同月28日が決勝となっている。