左膝の前十字靱帯断裂から復活した筑波大の山沢拓也(撮影:井田新輔)
<全国大学選手権 セカンドステージ プールC>
筑波大(関東対抗戦5位) 44−22 大東文化大(関東リーグ戦4位)
(2014年12月14日/東京・秩父宮ラグビー場)
今季の対抗戦で3勝4敗と苦しんだ筑波大にあって、故障が癒えて間もない本来の主力格が光った。
キックオフ直後、復帰組のNO8山本浩輝が大東大の接点へ激突。ターンオーバー。以後も「相手の寄りが遅い」接点で抗い、突破役揃いの大東大のリズムを狂わせる。「ラック(接点)ができた瞬間にさばきたかったけど、プレッシャーが…」とは、敗れたSH小山大輝である。
復調したもう1人の要、山沢拓也も躍った。最後尾のFBとして先発も、時に本来のSOの位置にも入った。忍者の足取りで空間を射抜き、相手のFL篠原祥太主将に「自分たちのピンチの時、顔を出してくるなぁ」と言わしめた。
10−10で迎えた前半38分には、美しい走りで勝ち越しトライを奪う。対面のもとへ直進し、パスを呼び込む。球が手元に来るや、「伸び」。左大外へ逃げるように走路を変え、タックルを逃れた。直後のゴール成功で17−10とし、控えめな一言。
「それまでパスがうまく決まってなかったので、伸びてみました」
FB山沢が退いた後半30分以後、大東大が12得点。大駒の価値は、ここでも証明されたのだった。
(文:向 風見也)