第51回全国大学ラグビーフットボール選手権大会のファーストステージ最終節が30日、福岡・グローバルスタジアムでおこなわれ、朝日大(東海北陸・中国四国代表)が福岡工業大(九州代表)を31−7で下し、2季連続でセカンドステージ進出を決めた。昨年苦汁をなめさせられた相手にリベンジしたかった福工大だが、大雨による最悪のコンディションのなか、持ち味を存分に発揮することはできなかった。
朝日大はNO8シオネ・バイラヌを中心とした強力FWがセットピースで圧倒。前半の2トライはいずれもゴール前スクラムを押し込んで獲得した。福工大ボールで組んでも、何度もターンオーバー。
九州学生1部決勝リーグで1試合平均57得点と、攻撃力を誇った福工大だが、この日のトライはラインアウトからFWが突進して奪った前半の1本のみ。
「セットピースで崩され、非常に戦いにくい試合になってしまった。それに、前半は風上だったがうまくコントロールできず、キックでエリアをとることができなかった。ディフェンスが後手に回ったことも敗因」(福工大・宮浦成敏監督)
ゲームを支配された福工大の選手たちは相手の下半身に鋭く突き刺さって食らいついたが、パワーで圧倒されたダメージの影響が次第に出てきて、後半は朝日大に3トライを追加された。6分、東海チャンピオンはキックをチャージしたあと一気にプレッシャーをかけ、ラックからサイドを突いてトライ。14分にはSO工藤健太が軽快なステップで次々とディフェンダーを振り切り、29分にはこの日の主役、NO8バイラヌが豪快に突進して勝負を決めた。
試合後、負傷した福工大のNO8中島進護キャプテンに代わり記者会見に出席したSO千々和晃(副将)の目は赤かった。
「2年連続でセカンドステージ進出を逃し、悔しい。今年、新チームが発足した当初から朝日大にリベンジすることを目標にやってきたが、朝日さんは1枚も2枚も上手だった」
一方、勝った吉川充監督はこう振り返る。
「雨のなかだったのでハンドリングミスが多く、セットプレーがゲームを分けたと思う。チームを作っていく上で、セットプレーにかなり時間を割いてきた。やってきた道は間違っていなかったと、ゲームを見ながら感じていた」
12月14日からはいよいよ、関東・関西の上位校が集うセカンドステージに挑む。朝日大は、大学選手権6連覇を狙う帝京大(関東大学対抗戦A1位)、関東大学リーグ戦1部3位の法政大、そして関西大学Aリーグ4位チームと同じプールAに入る。
昨年度、初めて挑んだこの舞台で朝日大は3試合とも大敗した。だからこそ、目標を高く持って鍛えてきた。もちろん、3つとも勝つつもりでチャレンジする。
キャプテンのCTB坂本椋矢は言う。
「厳しい戦いになるのは覚悟している。しかし、FW・BKとも力をつけてきた。昨年は(セカンドステージで)トライをたくさん取られたので、本番までディフェンスをさらに磨いていきたい。『ディフェンスから前に出る』ラグビーをずっとやってきたので、それがどれだけできるか、楽しみ」