大学選手権5連覇中である帝京大のSH流大主将は、先を見据えて研鑽を積む。30日、東京・秩父宮ラグビー場では、すでに優勝を決めた関東大学対抗戦Aの最終戦を慶大とおこなう。12月14日からは大学選手権のセカンドステージに挑み日本一を狙うが、真に目指すは、2月の日本選手権でのトップリーグ(TL)勢撃破である。
16日、秩父宮。明大との全勝対決を31−6で制した。冬の大一番に向け新戦術を試したとあって、ややもたつきの感があったか。記者会見に臨んだSH流主将は、「相手のプレッシャーを前に、新しく始めたことが少しずつかみ合わない部分もあった。それは今後の反省材料にできればいい」と振り返った。
「FWとBKが一体となるダイナミックなアタッキングラグビーを目指しているのですけど、まだまだ完成ではありません。ブレイクダウン(接点)でボールキープができれば、もっと、いい部分が出た」
前年度からチームは、日本選手権でのTL上位陣との直接対決を「挑戦」ではなく「目標」と捉えている。その「目標」を果たすうえで足りないものは。明大戦での試合展開も踏まえてか。会見を終えて帰路につく頃、今春は日本代表入りも果たしたSH流主将はこう答えていた。
「セットプレーの安定と、ブレイクダウン。ここで食い込まれた部分もあったので。まず1対1で勝つこと。そこ、ですね。アタックでもディフェンスでも、そこでメイジの方が前に出ようとする気持ちがあったかなと思います。まだ、皆、(新戦術がどういうものであったかを)考えながらやっている。攻撃のストラクチャーが崩れて、行き当たりばったりになってしまうところがあった」
勝利を得ながら課題を発見、消化するサイクルにある。次の慶大戦にも淡々と、全力で挑む。遡って、会見冒頭の挨拶の最後は、こう締めくくっている。
「ゲームを通して進化、成長できる部分が多くある。それを修正して慶大さんに向かっていきたいと思います。以上です」