王座奪還に燃える明治大の大将、勝木来幸(撮影:BBM)
関東大学対抗戦Aの明大は、12月7日、東京・秩父宮ラグビー場で早大との今季最終戦に挑む。「レベルアップしたい」と語るのはPR勝木来幸主将。伝統の「早明戦」、さらにはその後の大学選手権に向け、まっすぐ突き進む。
大阪・常翔学園高(旧 大阪工大高)を経て入った明大で、今季、全部員を引っ張るリーダーとなった。同じルートを経ていまはクボタでプレーするNO8杉本博昭が「ええメイジ魂、持ってますよ」と褒めるなか、就任2年目の丹羽政彦監督も全幅の信頼を置く。
「全体の雰囲気に気づくんです。練習に気持ちが入っていない時にばっと集めて『こんなんじゃ、アカン』と。これはできるようで、なかなかできない。あとは人柄がいいので、皆も『来幸さんに付いていこう』となっている」
本人は「下級生がのびのび」できる環境作りを目指した。上下関係に基づく多くのしきたりの排除、頻繁におこなう後輩との食事会…。「コミュニケーションを大切にしている」と強調する。ひたすら、前向きである。
「自分らが思ったことを伝えるだけではなく、下級生の意見を取り入れながら。それが、試合中の修正能力の高さにもつながっていると思います」
11月16日、秩父宮。大学選手権5連覇中の帝京大との対抗戦に挑んだ。王者が新戦術のテストで四苦八苦するなか、得意の攻撃を繰り出さんとした。しかし、ノートライに終わった。6−31。悔しさをにじませつつ、リーダーはこう発した。
「観ている人にとっては結果が全て。1つのチャンスをものにしなきゃいけないと、痛感させられました。レベルアップ、したいです」
1996年度以来の大学日本一に向け、まずは「早明戦」でのハイパフォーマンスを目指す。
(文:向 風見也)