今季の関東大学リーグ戦1部の法大で、3年のLO吉村公太朗が渋い光を放っている。身長185センチで体重100キロと決して大柄ではないが、豊富な運動量と献身的な姿勢を長所とする。20歳以下日本代表として活躍した2年のLO牧野内翔馬を控えに回し、タックルとサポートを重ねてゆく。
広島・崇徳高出身。組織性と個々の運動量で数的優位を作るチームにあって、「ボールを持たないプレー」に注力する。
「うちはテンポが早いチーム。ボールが左右に動く。そこで自分は、地道なプレーでチームに貢献しようとしています。ボールを持って前に進んでくれるプレーヤーを、サポートで前に進めていこう、と」
10月11日の埼玉・熊谷ラグビー場では、前年度王者の流経大を52−17で制した。「ロータックル。ディフェンスで圧倒しようとチームで話していて、それが出たと思います」。NO8ジョージ・リサレら、相手の突破力ある留学生選手に真っ向ぶつかった。殊勲の背番号4は、控えめに振り返った。
「たまに外されてましたけど。…自分としてはどんどんリロードして(タックルの)回数を重ねて、何発でも行こうと決めていたので。外国人の下に行って、絶対に倒そう、と。がむしゃらに行っていたと思います」
昨季6位だった法大はここまで2勝2敗。11月3日には白星先行を目指し、前年度7位の立正大と神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でぶつかる。FL西内勇人主将、CTB金勇輝副将ら、主力格が相次ぎ故障欠場中。一昨季の20歳以下日本代表主将だったFL西内主将と寮で同部屋だというLO吉村は語る。
「チームでまとまっていくしかない。皆で穴を埋めよう、と」
攻守に渡り、チームが定めた陣形の「穴」を率先して埋める。
(文:向 風見也)
ラインアウト時の法政大LO吉村公太朗
(撮影:TAKASHI TAKASHIO)
(撮影:TAKASHI TAKASHIO)