ライバル中国の地で栄冠を獲得した女子セブンズ日本代表(撮影:出村謙知)
アジアセブンズシリーズ2014の最終ラウンド、中国セブンズは、19日に北京で順位決定トーナメントがおこなわれ、女子セブンズ日本代表(愛称:サクラセブンズ)が決勝でライバルの中国を24−19で下し、優勝した。若い選手を多く加えて臨んだ男子セブンズ日本代表は準決勝で韓国に敗れ、3位に終わった。
前日に2014アジア大会チャンピオンの中国を倒し、プールWを3戦全勝の1位通過で4強入りしたサクラセブンズは、19日の準決勝で香港に17−0と快勝。
決勝では再び中国と対峙し、5−19とリードされたものの、後半5分に中村知春キャプテン(東京フェニックスRC)のトライとゴール成功で7点差に迫り、その1分後には小出深冬(東京学芸大ラグビー部/ARUKAS)のブレイクスルーからビッグチャンスとなり、谷口令子(東京学芸大ラグビー部/ARUKAS)が同点につながるトライを決めた。そしてフルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、自陣でのスクラムから出た球を小出が拾い、この18歳のシャイニングスターはわずかなギャップを突いて60メートル以上走り切り、ウイニングトライ。24−19で、サクラセブンズに歓喜の瞬間が訪れた。
「まずはサクラセブンズを応援してくださった皆様に感謝したい。その応援が力になった」と浅見敬子ヘッドコーチ。「中国セブンズで優勝できたことは嬉しいが、結果を出さなくてはいけなかったコアチーム昇格決定大会やアジア競技大会で結果を出すことができなかったので、悔しい思いを持ってこの大会に臨んだ。8月から4大会と試合が続いたが、それを通して選手たちは成長した。その選手の成長を、今回中国から挙げた2勝で実感している。今後も引き続き強化の課題を見直しつつ、今回の優勝に自信をもって、この先のオリンピック予選につなげていきたい」。
中村キャプテンは、「決勝の中国戦では途中で点差を広げられたが、後半に追いつくことができたのはフィットネス強化の成果。チームみんなで魂のこもったディフェンスをおこない、中国にくらいついたのが今回の勝因。アジア競技大会で負けを経験し、その後プレーの精度を修正した結果、今回はボールをつないでトライを取り切ることができた。中国はオリンピック予選に向けてのいいライバルなので、今後も相手を上回る成長を続けていきたい」とコメントした。
一方、男子セブンズ日本代表は、準々決勝でカザフスタンに14−12と辛勝したものの、準決勝で韓国に21−24と逆転負けを喫した。同点で迎えた後半2分に加藤誠央(九州電力)が抜け出して21−14としたが、約3分後、相手の快速ランナーにキックをうまく使われてインゴールでグラウンディングされ、2点差。そしてホーンが鳴ったあと、パスをカットされてロストボールを韓国に奪われ、カウンターアタックから逆転トライを許し、悔しいノーサイドとなった。
第1ラウンドの香港大会に続き、またしても韓国に苦杯をなめさせられた男子セブンズ日本代表。シリーズ総合成績でも、香港、韓国に次ぐ3位となった。主力メンバーが不在のなか、若い選手が経験を積んだ一方で、ライバル国に自信を与えてしまったことも確か。来年おこなわれる予定のリオデジャネイロオリンピック・アジア予選に向け、さらなる奮起と徹底強化が求められる。
なお、中国セブンズ(男子)の最終結果は、日本は3位決定戦でスリランカに24−19で勝利。決勝は、香港が36−19で韓国を下し、今季アジアシリーズ3大会をすべて制覇している。