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セブンズWS開幕戦を制したのはフィジー! 日本は5戦全敗で奮起誓う

2014.10.12

Fiji

フィジーがオリンピック出場権獲得へ好発進! 今季ワールドシリーズ1冠目
(Photo: IRB/Martin Seras Lima)

 男子7人制ラグビー代表のトップ15が世界の9都市を舞台に戦い、シーズンチャンピオンを決める「HSBC セブンズ ワールドシリーズ 2014−2015」の第1ラウンドが、今週末にオーストラリアのゴールドコーストで開催され、フィジーが栄冠を獲得した。
 イングランド7人制代表を長年指揮してきたベン・ライアンがヘッドコーチに就任して2年目のフィジーは、プールCを圧倒的強さで突破したあと、12日のカップトーナメントでは準々決勝でウェールズに31−10と快勝。準決勝ではイングランドを48−7で下し、サモアとの決勝は最大26点リードを2点差まで詰められたものの、試合終了直前に決定的トライを奪い、31−24で歓喜の瞬間を迎えた。

 シリーズ4連覇中のニュージーランドは準々決勝でイングランドに7−31で敗れ、結局5位(プレート優勝)でフィニッシュ。世界的名将のひとりであるマイク・フライデー(イングランド、ケニアの元指揮官)が今季から新ヘッドコーチに就任したアメリカは、日本やフランスなどを倒してボウルトロフィーを獲得している。

 今季ワールドシリーズの最終総合ランキングでトップ4に入ったチームには2016年オリンピックの出場権が与えられるため(12枠の内の4枠)、どのチームも各ラウンドでより多くのポイントを稼ごうと必死だ。

 一方、アジアチャンピオンの日本は、コアチームに昇格して臨んだ初めての大会を5戦全敗で終えた。初日のプール戦でサモア、ニュージーランド、フランスに完敗したあと、2日目のトーナメントでは、9位以下のチームが集うボウル準々決勝でアメリカに5−26で屈し、13位以下のチームによるシールド準決勝ではケニアに15−17で敗れた。
 瀬川智広ヘッドコーチの言葉は厳しい。
 「このレベルでの経験をしているかしていないかの差が出た。強化に費やしている時間の差も大きい。アジア競技大会では強みとしていたブレイクダウンが、いまは必死に修正してなんとかボールが出るレベル。アメリカ戦は外側に速い選手がいるのを意識しすぎて、本来、日本がやらなければいけないまっすぐ前に出るディフェンスができなかった」

 それでも、ケニアは昨年のワールドカップ・セブンズで4強入りした強豪だ。ワールドシリーズ元トライ王のコリンズ・インジェラなど多くのスター選手が報酬に関して協会ともめ、今大会に不参加だったとはいえ、スペシャリストたちが集まっていた。ジャパンは善戦したと言える。

 序盤にハーフウェイ付近でボールをもぎ取られ、先制を許したが、前半3分過ぎ、ゴール前中央でのPKからすばやく左へ回し、児玉健太郎(パナソニック)がトライを奪い返した。
 5分にはレメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ)がパワフルに走り抜け、10−7とリードして折り返す。
 後半もキックオフボールをケニアに取られ、逆転トライを奪われたものの、その2分後、羽野一志(NTTコム)のビッグゲインで敵陣22メートルラインに迫り、サポートもよく連続攻撃し、芦谷勇帆(キヤノン)が捕まりながらも粘り腰でインゴールに飛び込み、再びゲームをひっくり返した。
 日本はその後、相手にプレッシャーをかけ続け、粘り強い堅守を見せたが、終盤にケニアが逆転トライ。ラストプレーで日本はゴールに迫り、ラインを越えたものの、グラウンディングできず、試合終了の笛が鳴った。

 「ケニア戦は最後、坂井(克行)や桑水流(裕策)といった経験のある選手たちがいなくなって、どこにスペースがあるのかの見極めができなくなって、トライを取りきれなかった部分もあるが、2人とも体力的に限界のなかで全員がやれることを出しきってくれた」 と指揮官。

 坂井キャプテンの言葉にも悔しさがにじむが、ポジティブな面があったのも確かだ。
 「今回の大会は5戦全敗と非常に残念な結果になった。ただ、試合のなかでいい部分もたくさんあったし、粘り強いディフェンスや継続したアタックでトライまで運べたことは次につながると思う。この悔しさを忘れずに、まだセブンズワールドシリーズはあと8ラウンドあるので、次のドバイ大会に向けていい準備をしていきたいと思う」

 第2ラウンドのドバイセブンズは12月5日にキックオフ。

ケニア戦でトライを決める芦谷勇帆(撮影:出村謙知)
<HSBC セブンズ ワールドシリーズ 2014−2015 ランキング>

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