ラグビーリーグ(13人制・NRL)での戦いを終えたソニービル・ウィリアムズ(SBW)が、10月8日におこなわれたニュージーランド地域代表選手権・ITMカップで15人制ラグビー復帰を果たした。
カウンティーズ・マヌカウに新加入したソニービルは、22番をつけてオークランド戦にベンチ入り。チームが27−11とリードしていた後半20分、地元プケコヘのサポーターが大声援を送るなか、CTBバンディー・アキと交替でグラウンドに足を踏み入れた。ファーストタッチではストレートに力強く突進し、その後、トライこそ奪えなかったものの、好判断のキックやクイックパスなどで観客席を沸かせた。
チームは41−18で勝利。現在、ITMカップ・プレミアシップディビジョン(1部リーグ)で4位につけるオークランドとの勝点差を1ポイントに縮め、準決勝進出に望みをつないだ。5位のカウンティーズ・マヌカウは今月12日のレギュラーシーズン最終戦で、首位を争っているタスマンに挑む。
新たなSBWストーリーの幕開けだ。プロボクサーの顔も持つが、楕円球界ではより輝く。もともとラグビーリーグのスター選手だったが、2008年に初めてコードスイッチ。2010年11月のイングランド代表戦でオールブラックス(ニュージーランド代表)デビューを果たし、翌年のワールドカップで優勝に貢献した。これまで獲得したテストキャップ数は19。
2012年にチーフスでスーパーラグビー初優勝を遂げたあと、パナソニック ワイルドナイツに加入し、ジャパンラグビートップリーグで1シーズン(2012−2013)プレーしている。その後、13人制ラグビーに戻ってシドニー・ルースターズのNRL制覇に貢献するなど、順風満帆だったが、オールブラックスへの思いは強く、再びラグビーユニオンでの挑戦に舵を切った。
11月にアメリカ・ヨーロッパ遠征をおこなうオールブラックスに選出されるのはほぼ確実。古巣チーフスとも2年契約を結んでおり、来年2月からはスーパーラグビーでもプレーする。そしてその先に見据えるのは、ワールドカップ連覇だ。セブンズにも意欲的で、2016年オリンピック出場の夢も追う。