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アルゼンチンがついに歴史的初勝利! 南半球4か国対抗で豪州を下す

2014.10.05

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歴史を変えたロス・プーマス。写真はWTBアモロシーノ。今年9月6日のNZ戦より
(撮影:Masanori Udagawa / photowellington.com)

 ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアが競ってきた南半球国別対抗戦に、2012年から新規参入した南米の雄、アルゼンチン。世界3強相手に善戦するもなかなか勝星を奪えず、2012年大会は0勝1分5敗、昨年は6戦全敗で、今年も7点差以内の接戦を3つ落とすなど負けが続いていたが、現地時間10月4日に地元メンドーサでおこなわれた2014ラグビーチャンピオンシップ最終節で、オーストラリア代表を21−17で下し、ついに新たな歴史を作った。
 同大会に参加する前、アルゼンチン代表はオーストラリア代表を倒したことがあり、今回のアップセットは17年ぶり5回目のワラビーズ戦勝利である。

 前半12分までに、オーストラリア代表“ワラビーズ”に2トライを奪われたアルゼンチン代表“ロス・プーマス”だったが、34分、ゴール前で突進を繰り返したあと右へ展開し、NO8レオナルド・セナトーレがインゴールへ飛び込んだ。
 アルゼンチンは前半終了前にPGで3点を追加し、8−14で折り返す。

 後半、互いにPGを1本ずつ決め、迎えた52分、アルゼンチンは敵陣22メートルライン中央でのスクラムから右へ展開し、WTBフアン・イモフがトライ。タッチライン近くからのコンバージョンをSOニコラス・サンチェスが決め、ついに南米チームが逆転した。18−17。

 追うオーストラリアは66分、PGを失敗。69分にもプレースキックで3点を取りに行ったが、観客席からと思われるレーザー光線の妨害に動揺したか、SOバーナード・フォーリーが22メートルライン内のさほど難しくはないショットをポストに当ててしまう。

 ワラビーズの悪い流れは止まらず、73分には主将のFLマイケル・フーパーが空中での危険なプレーでイエローカードをもらい、14人に。直後、ロス・プーマスはPGを追加し、4点リードとなった。

 残り1分、追い込まれた世界ランキング3位のオーストラリアは敵陣でスクラムチャンスを得たものの、崩してしまい、勝負あり。まもなくして試合終了の笛が鳴り、アルゼンチンの歴史的勝利にスタジアムは歓喜の渦に包まれた。

 2007年のワールドカップで3位になったアルゼンチン代表だが、近年はテストマッチで負けが込み、IRB世界ランキングを12位まで落としていた。しかし、3強の一角を崩したことで、来年のワールドカップに向けて大きな自信を得たはずだ。
 一方のオーストラリア代表は、ニュージーランド代表の連勝記録を止めるなど(8月16日・シドニー/12−12)、ユーアン・マッケンジー体制になってから着実に力をつけてはいるが、中心選手のカートリー・ビールが今大会の遠征中に飛行機内でチームスタッフと口論になるなど、チームの雰囲気はよくない。負傷で長期離脱していたSHウィル・ゲニア、SOクウェイド・クーパーらが復帰間近と言われており、2週間後のニュージーランド戦(ブレディスローカップ第3戦)や11月の欧州遠征で奮起が期待される。

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