韓国のインチョンで開催されてきた2014アジア競技大会の7人制ラグビーは、最終日の10月2日に決勝を含む順位決定戦がおこなわれ、男子は日本が3大会連続の金メダル獲得、女子は中国が初優勝を果たした。サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)は決勝で惜敗し、銀メダルに終わった。
男子セブンズ日本代表は、2006年のドーハ大会(カタール)、2010年の広州大会(中国)に続くアジア制覇だ。
「プレッシャーがあったが、けが人も多い中、選手たちがよくやってくれた。一人ひとりが日本のプライドを持ってやってくれた。アジア競技大会ということで、五輪のマークをつけて日本を代表してプレーするという気持ちが伝わるゲームだった。最後は彼らが持っているラグビー力を出し切ってくれた」(瀬川智広ヘッドコーチ)
前日までの4試合すべて無失点、50点以上得点で勝ち上がった日本は、準決勝でもスリランカを40-0と圧倒。決勝では、今季アジアセブンズシリーズで2冠を獲得している香港と対峙し、終盤までもつれた激闘を24-12で制した。
序盤に先制を許した日本だったが、前半5分にリーチ マイケルが同点トライ。その約2分後にはペナルティトライをものにし、12-5で折り返した。後半も先に点を取られ追いつかれたものの、後半7分にレメキ ロマノ ラヴァが決勝点。試合終了1分前には羽野一志がゴールへ駆け抜け、見事、アジア大会3連覇を果たした。
「金メダルはとても嬉しい。この舞台に立てなかった選手もいるし、決勝の前に女子セブンズ日本代表とすれ違った時に涙を流していたので、女子の分も(金メダルを)取ろうという気持ちでプレーした」と語ったのは、決勝でだめ押しトライを挙げた羽野だ。
15人制日本代表の主将でもあるリーチは、「セブンズは(15人制とは)違うスポーツだと聞いていたが、実際に違うスポーツだった。昨日まではあまりプレーしなかったが、今日はほとんど出場させてもらって、良い状態でプレーできるようにしてくれた瀬川ヘッドコーチに感謝している。これからはまた15人制に集中して、チャンスがあればまたセブンズをプレーしたい」と、2016年のオリンピック出場に意欲を見せた。
そして、重責を果たしたセブンズ主将の坂井克行は、「気持ちの部分で、(自分たちは)アジアで一番、メダルを取りに来たんだということを再確認してプレーした。グラウンドの7人とベンチの選手を含めて全員で取った金メダル。素直に嬉しい。女子の声援も聞こえ、それも大きな支えになった」と喜びをかみしめた。
男子セブンズ日本代表は、来週末からいよいよセブンズワールドシリーズに挑む。