(撮影:松本かおり)
関東大学対抗戦Aで昨季3位の筑波大は28日、東京・秩父宮ラグビー場で同2位の早大に敗れた。15−19。後半ロスタイムの45分、早大のFL布巻峻介副将に逆転トライを奪われた。筑波大でFWリーダーを務めるFL水上彰太は、後半22分に退いていた。
最上級生のFL水上はこの日、今季初先発。春先から左膝の内即を痛め、夏場に復帰したばかりだった。以前は80キロ台中盤だった体重を、いまは「93〜4」キロとしているようだ(公式記録では85キロ)。
連続攻撃を重ねる早大を向こうに強烈なタックルをかましたのは、前半14分だった。自陣ゴール前のラックから球が出るや、その軌道へ一目散に飛びかかる。パスの受け手を仰向けにする。味方のサポートと相まって、ターンオーバーを決めた。
「いやぁ、たまたまっすね。狙ってはいなかったです。ただ、(その地点にボールが)来るかな、と」
以後も肉弾戦で効果的な働きを重ね、前半を15−5で折り返した。
しかし、後半22分に途中交代する。古川拓生監督は「疲労が見えたから」と理由を説明するなか、日本代表のWTB福岡堅樹はこう証言した。
「あいつは最近、体重を増やしてフィットネスを落としていたので、あれだけやってくれれば十分。一番、全体を冷静に見てくれるFWの核がいなくなるのは痛いんですけど…。まぁ、それはそれで仕方ないかなと」
当の本人はこうだ。
「あ…いや、わかんないですね。監督たちのあれなんで。動けてなかったのかな、交代という指示が出たので。後で映像を観て確認しますけど、こんなに疲れてないとしたら、相当、動けてないのかなと」
東福岡高2、3年の頃は、この日のヒーローの早大FL布巻(当時はCTB)とともに全国高校ラグビー大会優勝を経験。最終学年時は主将だった。筑波大でも1年時からレギュラーとなるも、その後は控えに甘んじることもあった。
「(下級生の頃は)むちゃくちゃな生活をしていたんで。いまはラグビーを大事に考えられるようになった。自分も試合に出続けて、(シーズン終盤の大学)選手権にまず行けるように。そのために対抗戦で頑張る」
チームは10月11日、埼玉・熊谷ラグビー場で昨季3位の慶大とぶつかる。