関東大学対抗戦Aで昨季3位だった筑波大の3年で、日本代表11キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を持つWTB福岡堅樹は、28日、同2位の早大と今季の対抗戦Aの2試合目を戦う(東京・秩父宮ラグビー場)。21〜23日はジャパン候補による強化合宿に参加し、瞬発力をアピールしている。
東京・キヤノンスポーツパーク。2日間あった実戦練習では再三、左タッチライン際を快走。かねてからエディー・ジョーンズ ヘッドコーチに「ワールドクラス」と言われていた加速力を披露し、詰めかけたファンや報道陣を驚かせた。「いえいえ…」と謙遜しつつ、こうも続けた。
「自分なりに(相手を)外に振り切るシーンはあったので、そこは、よかったです」
日本代表は11月1、8日に「JAPAN XV」としてマオリ・オールブラックス戦(それぞれ兵庫・ノエビアスタジアム神戸、東京・秩父宮ラグビー場)に挑む。今回の合宿はその準備といった格好だ。WTB福岡は、一昨季のトップリーグ(国内最高峰リーグ)のトライ王であるWTB山田章仁(パナソニック)やニュージーランド出身のパワーランナーであるWTBカーン・ヘスケス(宗像サニックス)らと定位置を争っている。果たすべき役割を把握し、置かれた立場で何が吸収できるか。常に、考える。1日目の夜にはこう話していた。
「(トライを)確実に取りきるところがチームから求められると思うので、そこはターゲット。あとはディフェンスの部分でも、外側のWTBの位置から声を出していかないと。組織的にアップをする(全員が横一列に揃って前に出る)のか、待つのか…。今回の練習では、フィジカルの強いカーンが対面なので、ここで負けないように行けたらと思っています」
14日、所属先の筑波大は対抗戦の初陣を落とした。前年度5位の明大に21−41で屈し、WTB福岡も自らのプレーを「ハイパントのキャッチがひどかった」と悔やんだ。国際舞台でも、国内の学生のゲームでも、「同じ反省点は2度と出ないように」というモットーは不変だろう。
「とにかく、1つひとつの課題を乗り越えることがテーマ。明大戦の課題が2度と出ないようにしていきたいです」