高校ラグビー界は年末の花園(全国高校大会)を目指して各地域予選が繰り広げられている。東京都予選は9月23日、第1、第2地区の3回戦8試合をおこなった。
【第1地区】
・早稲田実業 46−12 都北園
・明大中野八王子 83−7 城北
・法大高 43−12 合同B
・明大中野 62−0 都豊多摩
【第2地区】
・東京朝鮮 52−22 青山学院
・都青山 58−19 帝京
・本郷 98−0 駒込学園
・大東大一 59−14 東農大一
東京朝鮮中高級学校グラウンドでは4試合を実施。3試合目に、春は合同チームで出場した都立北園がシード校・早稲田実業に挑戦した。
北園は部員22人、今年1年生12人が入部し晴れて単独チームで大会に臨んだ。1回戦、17−5で桐朋を退けると、2回戦は春の合同チームで一緒に戦った都石神井を36−5で下し勝ち上がった。
戦法はSHのハイパントで敵のディフェンス陣裏を狙う。FWがモールやラック脇のサイド攻撃で持ちじりじりと前進する。
前半5分以降、早実ゴール前へ進むとラインアウトなどからモールを組み、サイド攻撃を試みる。しかし、ゴールライン手前で北園は味方同士がぶつかるなどの反則を犯し、ゴールラインを越えることができなかった。
一方12分、早実は北園のキックを左タッチライン際で受けると右へ展開し、先制トライを奪った。25分、29分と早実は自陣からつなぎトライを決め、22-0で前半を終えた。
後半も1分、あっさり北園陣内に入り、右スクラムから順目に回しトライを重ねる。
ここから北園が奮起。7分、早実ゴール前でラインアウトを得るとラックを繰り返し、最後はサイドを突いてトライを返した。しかしトライ後の再開でも早実にノーホイッスルトライを奪われた。25分、北園はゴール前までの突破から早実の反則を誘い、FWがボールを押し込んだが、試合は46-12でノーサイド。
単独チームで臨んだ北園の「このチームで花園」は終わった。試合後、選手たちは自然と涙を流した。カットアウトのプレーから突破を見せてきた主将のCTB中西謙太は「今日は負ける気がしなかった。ゴール前ではFWがサイドを突いてトライを狙うと最初から決めていた」と話す。
宍戸亮太監督は「相手が格上。できること、やれることを決めて臨みましたが、最初にトライを取れなかったことが響いた。選手に迷いが出て早実に攻め込まれた」と分析した。
一方、北園の気迫あふれるラグビーを受けた早実・大谷寛コーチは「北園がやってくることはわかっていた。しかし選手は受けてしまった。北園との差は個人スキルでこちらが上回っていただけ」と気持ちの面も含め課題が山積しているという。
次の準々決勝で明大中野八王子と“早明対決”となる。「アカクロのジャージーを着て戦うことの意義。大学と同じで早明戦で早稲田が勝つポイント、前へ出ることを徹底したい」(大谷コーチ)。
試合後、選手たちに「よくやった、胸を張って帰ろう」と話した北園・宍戸監督。3年生が抜けると部員は15人ぎりぎりだ。次の仕事は「部員集め」と来季を見据えた。