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現在トライ王タイ! キヤノン2年目のアダム・トムソン「安定したプレーを」

2014.09.22

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アダム・トムソン(撮影:BBM)

 日本最高峰のトップリーグは、ファーストステージの全7節中5節が終了。トライ数ランキングでリコーのWTB小松大祐と同数の「6」でトップに立つのが、キヤノンのFLアダム・トムソンである。ニュージーランド代表29キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を誇る、身長196センチ、体重112キロの頼れる助っ人だ。好機での豪快な突破でスコアを重ねつつ、接点や空中戦でも存在感を示している。

 20日、東京・秩父宮ラグビー場。NTTドコモとのファーストステージ第5節を24−10で制した。互いにミスを繰り返すなか、FLトムソンは前半40分に同点となるトライを決めていた。後半開始早々には自陣ゴール前での接点に突っ込み、相手の攻めの流れを分断した。

「クオリティの高いチームのサインは、うまいプレーができるかどうかではなく、うまくいかない時でもいい結果を出せるかどうかに出る。うまくいかない時はシンプルに正確なプレーをする。FWはパワープレーでBKにいいボールを供給する。うまくいかない時に難しいことをすると、さらに状況は悪化する。リスタートするようなプロセスを踏むのが大事」

 昨季はリーグ戦に12試合出場中、先発は6試合に止まった。しかし来日2年目の今季、第2節から4戦連続でスターティングメンバーに名を連ねている。

「今年は首脳陣が、自分を先発にできることに信頼してくれている。スタートから出ることによって、いいパフォーマンスができると思ってくれています」

 ラインアウトの防御では相手の嫌がる防御を連発。「全てを言うわけにはいかない」としつつ、こう話した。

「日本のラグビーを観ていると、ラインアウトでコンテストする機会がある。チームによっては捕りやすいボールを投げているような…。相手ボールのラインアウトで競れば、ボールを取ったり、向こうの攻めを遅らせることができます。特別なことではなく、ハードワークすればいい結果を出せる」

 新人のLO宇佐美和彦は「ラインアウトは『とにかく(空中で)競れ!』と言ってくれる」と、3年目のLO/FL湯澤奨平は「今年は自分たちを引っ張っていこうと去年以上に思ってくれている気がする」とそれぞれFLトムソン評を語る。

 チームは3勝2敗。所属のプールBで8チーム中3位と好位置についている。次節は10月12日、大分市陸上競技場でコカ・コーラとおこなう。

(文:向 風見也)
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