トップリーグ昇格への関門、トップチャレンジの切符を手にするのはどのチームか。トップリーグの下部にあたる社会人地域リーグ。9月6日に開幕したトップキュウシュウAリーグに続き、13日、トップイーストDiv.1、トップウェストAリーグの熱戦が始まった。
東日本の10チームが争うトップイーストDiv.1は9月13日に3試合がおこなわれ、東京ガス大森グラウンドでは、昨季イーストを全勝で制しながらトップチャレンジで涙をのんだ三菱重工相模原ダイナボアーズと、同5位の東京ガスが対戦した。
セットプレーで圧倒しパワーで前に出る三菱重工相模原に対し、東京ガスは接点で劣勢を強いられながらも、統率のとれたパスワークと低いタックルで応戦。前半はラインアウトとスクラムを起点に3本のトライを奪った三菱重工相模原が21-6とリードして折り返した。
前半の得点がPG2本にとどまった東京ガスだったが「15点差はギリギリ想定内。風上に立った後半に勝負を」(林雅人ヘッドコーチ)との目論見どおり、後半開始2分、ゴール前に攻め入るとラックからLO岩山真司が持ち出してトライ。司令塔ヘイデン・クリップスのゴールも決まり21-13と8点差に詰め寄った。
追い風を味方に果敢に攻める東京ガスと、フィジカルに勝る三菱重工相模原。その後は両チーム敵陣深く攻め込みながらも決め手を欠き一進一退、スコアは膠着(こうちゃく)した。天秤が傾いたのは後半30分。三菱重工相模原がキックカウンターからCTBロコツイ シュウペリ、CTBレポロ テビタとパワーランナーがつないでトライ。26-13と勝利を手繰り寄せ、ボーナスポイントも確保。ダイナボアーズは後半37分にWTBシェーン・ウイリアムズのダメ押しトライで33-13とし、力技でチャレンジャーをねじ伏せた。
勝点5を奪い、着実なスタートを切った三菱重工相模原。高岩映善監督は「(勝因は)セットプレーの安定、なかでも長年の課題だったスクラムが改善できたことが大きい。スクラムのクオリティを高めるために時間と回数を費やしてきた成果が出せた」と納得の表情。「(今日の試合を点数で表すと)65〜70点。新戦力も台頭し、伸びシロはまだまだある。いつまでもここ(トップイースト)に居続けるわけにはいきません」と悲願の昇格へ決意を口にした。
東京ガスの林雅人ヘッドコーチは「今日の試合は、エコカー対ダンプカー(のようなもの)」と振り返り、「筋力や練習量が勝敗を決めるのはロマンがない。真正面から当たれば負けても、ボールを持たない時間をいかに大切に走るか。いかに低くタックルに入るか。自分たちができることをしっかり遂行することで勝機が生まれる。70分以降、それが徹底できなくなったところで点差が開いてしまった。強いランナーを止め切れなかった」と悔しさをにじませた。金星は逃したものの、そのスタイルをじゅうぶんに見せた東京ガス。「あと8戦、80分のうちに自分たちの時間をいかに作るか。(昨季)5位からのスタート。チャレンジするだけです」と林HCは力強く語った。
他会場では、ヤクルトレビンズが32-20で秋田ノーザンブレッツに勝利、釜石シーウェイブスRFCが16-5で日野自動車レッドドルフィンズを下した。混戦の様相を呈する今季のトップイーストDiv.1。14日には横河武蔵野アトラスターズ対日本IBMビッグブルー、栗田工業ウォーターガッシュ対セコムラガッツの2試合がおこなわれる。