NTTコムの新しい司令塔、エルトン・ヤンチース(撮影:松本かおり)
<トップリーグ 2014-2015 1stステージ 第3節 プールA
NTTコミュニケーションズ 30−6 豊田自動織機
(2014年9月6日/東京・秩父宮ラグビー場)
互いに今季2勝目を狙う一戦で、昨季13位のNTTコムが前半をリード。来日前から戦術理解度アップに注力したロブ・ペニー ヘッドコーチ(HC)のもと、この日も南アフリカ代表2キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のSOエルトン・ヤンチースが簡潔に球を振る。ランナーにスペースをえぐらせ、昨季12位の豊田自動織機を後手に回らせた。
それでも前半のスコアは18-6と接戦の様相。追う側にとって好都合か。渦中、豊田自動織機のSOマーク・ジェラードが芝に立つ。接点の近くに立って味方を前に引き出し、相手の組織に亀裂を入れる。追われるNTTコムは反則、キック処理での失敗を重ね、CTB溝口裕哉主将は「プレッシャーで硬さがあったかも」。オーストラリア代表24キャップの鬼、個の力で流れを変えかける。
リードする側は、踏み止まる。心の乱れを解いたようなSOヤンチースが陣地を取った後半18分、NO8アマナキ・レレィマフィが走ってLO鶴谷昌隆が追加点を挙げる。23-6。31分にはCTB諸葛彬がだめを押した。枠組みのなかで踊る個を、ペニーHCは「自分たちのすることを吸収している」と褒めるのだった。
(文:向 風見也)