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サニックスTL復帰後初勝利! 主将「やっと行きつけのラーメン屋に行ける」

2014.09.07

Blues

NECのWTB釜池真道を止める自衛隊出身のサニックスルーキー、LO福坪龍一郎
(撮影:Hiroaki. UENO)

 2季ぶりにジャパンラグビートップリーグに戻ってきた宗像サニックスブルースが、今季第3節(ファーストステージ・プールA)で初勝利を手にした。9月6日、福岡・レベルファイブスタジアムでNECグリーンロケッツと対戦し、36-31で勝利。ともに5トライずつ奪い、宗像サニックスは1勝2敗となって総勝点5、NECは敗れたもののボーナスポイント2点を獲得し、総勝点を6に伸ばした。

 序盤の主導権を握ったのはNEC。前半5分、敵陣22メートルライン内での展開からFB吉廣広征が中央を突破して先制した。12分にも敵陣深くに入ってPKを得、日本代表のプレーメーカーでもあるSO田村優が右前方にスペースを見つけるやキックパスを放ち、WTB窪田幸一郎が難なくキャッチしてトライを挙げた。3-12。

 追うサニックスは17分、FWがゴールに迫り、世界クラスのパワフルFLジャック・ポトヒエッターが突っ込んで点差を縮める。その後、相手CTBニール・ブリューにトライを奪われたサニックスだったが、34分、ゴール前右中間ラックからFB屋宜ベンジャミンレイが素早く右サイドを突き5点を返した。15-19で折り返す。

 サニックスは、今季最初の地元開催ゲームということで「MUST WIN(絶対に勝つ)」の気持ちはNECより上回っていたかもしれない。熱心なサポーターが追い上げムードを後押しし、後半の47分、FB屋宜が防御網を切り裂いて逆転トライを挙げた。
 活気づいたホームチームはリスタート直後、自陣からNO8新井信善とSH濱里耕平の力走でテンポ良く攻め上がり、22メートルライン付近で球を受けたFLポトヒエッターが豪快に走ってリードを拡大。29-19とする。

 連敗を避けたいNECは53分、またもSO田村がキックパスで相手を揺さぶり、WTB窪田、FB吉廣、CTB森田茂希とつないで3点差(トライ後、ゴール成功)にしたが、15分後、サニックスはラインアウトモールから途中出場のFLファアティンガ・レマルが抜け出し、勝利を引き寄せた。
 終盤、NEC主将のPR瀧澤直がゴールラインを越えて5点を返したが、最後まで前に出る姿勢を崩さなかったサニックスが歓喜の瞬間を迎えた。

「(連敗した)前の2試合は選手に硬さがあった。この試合はゲームプランをシンプルにして、しっかりアタックし、とにかくフィジカル勝負で1年間やってきたことを出そうと。それを選手が体現してくれた」と語ったサニックスの藤井雄一郎監督。「今日負けたら宗像に帰れない、くらいの思いで試合に臨みました。本当に、街を歩くのも嫌だったくらいのこの2週間でしたけど、明日から胸を張って歩けると思います」と笑顔を見せた。

 グラウンドでチームを牽引した新キャプテン、田村衛土の表情も明るい。
「地元のサポーターの皆さんの前でいいところを見せられたのがすごく嬉しい。ボクも、いきつけのラーメン屋にやっと行けるなぁ、という嬉しさがあります」

 上昇気流に乗ろうとしている宗像サニックスブルース。次節(13日)は佐賀・ベストアメニティスタジアムで、現在プールA首位のヤマハ発動機ジュビロと対戦する。NECグリーンロケッツは再び中5日となり、12日に東京・秩父宮ラグビー場で東芝ブレイブルーパスとぶつかる。

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