ラグビーリパブリック

同業種対決で歓喜したのは赤いジャージー! キヤノンがリコーに初勝利

2014.08.31

CANON

3トライを挙げたキヤノンのFLトムソン(撮影:松本かおり)

 黒い波は、大きく、激しく打ち寄せた。低く、鋭く対抗したのは真紅の側だ。キヤノンがよく結束して、リコーのパワーを上回った。33-21の快勝だった。

 8月30日におこなわれたトップリーグの、秩父宮ラグビー場での第2試合。同業種(事務機)のダービーマッチとなり、スタンドには両者の応援団が大勢詰めかけた。最初に沸いたのは黒に染まった集団だ。リコーはパワーあふれるアタックで反則を誘い、FBピータース ダニエルが2PGを決めて6-0とリードを奪った。
 しかしキヤノンは、ひるむことなく結束を固めた。10分、中盤での相手反則からSOカラム・ブルースが好タッチキック(PK)を蹴り、ゴール前ラインアウトからモールを組む。止めようとする相手のバインドを引きちぎって前進し、FLアダム・トムソンがインゴールにボールを運んだ(ゴールも決まり7-6)。

 パワーに手を焼きながらも我慢。そして機を見て攻め入る。キヤノンはその後も、そうやって試合を進めた。
 18分にはゴール前ラインアウトからのモールで押し切られ、21分にはPGを決められて逆転されるも(7-16)、集中力を高めて流れを引き戻す。23分のトライはラインアウト後のモールから得たが、素速く、短いボール投入から8人が鋭く動き、瞬時に奪ったもの。27分には、自陣からWTB原田季郎が抜け出してビッグゲイン。相手ゴールポスト真正面で得た反則もPGを狙わずに速攻を仕掛け、最後はトムソンが右中間に飛び込んだものだった(19-16と逆転)。36分には連続攻撃からBKが仕掛けて防御を崩し、FB橋野皓介がトライ。ゴールも決まり、前半を26-16として終えた。

 試合後キヤノンの永友洋司監督は、「(リコーとは)わずかな差だった。ボールを手にしていないときに、どれだけ戦えるか。それをテーマに試合に臨みました。自分に負けないこと。実際、ピッチの上に立っているのはいつも赤(ジャージー)の方が多かったように思いました」と語り、常に立っている意識、一歩めの動き出しで上回って勝てたことを喜んだ。後半6分、CTBティム・ベネットがトライを挙げたのも(ゴールも決まり33-16)、キックカウンターからの攻撃。反応よく多くの選手が戻り、アタッカーの数が多かったから攻略できた。リコーの激しさは最後まで続いたが、その後許したトライは1つだけだった。

 3度目の対戦で初めてライバル対決を制したキヤノン。WTB和田拓主将は「我慢の連続でした。前節の試合では要所でミスが続いて負けたけど、今日は要所でいいプレーを出せた」と、全員の気持ちの強さに胸を張った。

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