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コカ・コーラが今季初勝利! 守り充実、カミンズ加わり攻撃も上昇ムード

2014.08.31

Nick

ドコモFBフィルヨーンにタックルするコカ・コーラのWTBカミンズ(撮影:Hiroaki. UENO)

 2014-2015シーズンのトップリーグ開幕節(プールB)でサントリーサンゴリアスに惜敗したコカ・コーラレッドスパークスは30日、ホームの福岡・レベルファイブスタジアムでNTTドコモレッドハリケーンズと第2節を戦い、15-9で今季初勝利を手にした。
 コカ・コーラに新加入したオーストラリア代表15キャップ保持者のWTBニック・カミンズは後半途中から出場。トライは奪えなかったものの、全力疾走のキックチェイスや果敢なタックルでチームを盛り上げ、自身にとってのトップリーグデビュー戦を白星で飾った。

 昨季は入替戦を経験し、今季開幕ダッシュに失敗した両チームの戦い。コカ・コーラは新シーズン最初の福岡開催ゲームということもあり、序盤から積極的に攻めた。
 前半5分、自陣でのスクラムから左へ展開してバックスがゲインし、敵陣に入っても細かくつないでWTB川口皓平が先制トライを挙げる。しかし、コカ・コーラはその後もテンポよく攻め込みながら反則が目立ち、ブレイクダウンでターンオーバーされるシーンも多く、一気にリードを拡大することはできなかった。

 対するNTTドコモは、スタンドを沸かせるシーンは少なかったが、元南アフリカ代表のFBリアン・フィルヨーンが約50メートルのロングショットを含むPG3本を決め、5-9と逆転する。

 コカ・コーラは、33分に近場を攻めて敵陣深くに入ったがノックオンで好機を逸し、その2分後はCTB吉原渉が捕まりながらトライラインに迫り左隅で腕を伸ばしたが、落球。37分には敵陣22メートルライン内でペナルティをもらい、キャプテンのNO8豊田将万はショットを狙わずスクラムを選択したが、トライには結びつかなかった。しかし、前半終了前にPGで加点し、8-9で折り返す。

 後半早々、コカ・コーラはゴール前中央でもらったペナルティでまたもスクラムを選択。しかし、それからのサイドアタックは接点で相手にターンオーバーされ、得点にはつながらなかった。

「セットプレーからのアタックは自分たちの持ち味だと思っている。いいアタックができると思ってスクラムを選択しました。トライが取れなかったのは、詰めが甘いと言えばそれに尽きるが、急ぎすぎた部分がある。もう少し、コミュニケーションをしっかり取って、最後まで我慢してアタックしていればミスなく終われたかなと思います」(コカ・コーラ 豊田主将)

 苦しい時間が続いたコカ・コーラだったが、53分、敵陣22メートルライン付近左中間のラックから、途中出場のSH江頭翔太がショートパントを放ち、すばやく反応したNO8豊田がバウンドボールをうまく拾い、インゴールに持ち込んでトライを決めた。ゴール成功で15-9とゲームをひっくり返す。
「自分のミスでチャンスを逃したシーンもあった。流れを引き寄せられたかな」とキャプテン。

 今季初勝利へ向けて同じく必死のドコモは終盤、ゴール前でラインアウトのチャンスが2回あったが、1本目はモールドライブを止められ、2本目はオブストラクションの反則で得点につなげることができず、6点差のまま試合終了の笛が鳴った。

 敗れたドコモの下沖正博監督は「(第1節の)近鉄戦で課題となったラインアウトを大幅に改善し、今日の試合に臨んだが、コーラさんの手堅いディフェンスを前に、焦りが出てしまった。スキルというより、メンタルに問題があった」とコメント。

 一方、勝ったコカ・コーラの山口智史監督は、「セットプレーが安定しなかったのは反省点。ブレイクダウンでレフリーとの解釈の違いもあって、うちのテンポが出せなかったところも修正していきたい」と課題を口にしたが、前節のサントリー戦でよかったディフェンスはこの日も好調で、ノートライに抑えたところは素直に選手の奮闘を称えた。
「去年の大きな反省点は、試合中に倒れている人間が多すぎるというところだった。(昨季優勝した)パナソニックさんは相手がアタックするときに13人以上立っている確率が約88%。自分たちは73〜74%くらいだったので、ディフェンスラインに人数を立たせることをフォーカスして取り組んできた。そこは、今年一番成長している部分だと思う。13人で守ることで後ろが楽になって、キックへの対応もよくなり、エリアを取り負けないことにもつながっていると思う」

 また、トップリーグデビューを果たしたカミンズについて指揮官は、「彼がボールを持てば迫力がある。ディフェンスやチェイスも、チームメイトを勇気づけていると思う。非常にまじめで、普段の取り組みも選手たちにいい影響を与えてくれている。彼に一番期待しているのは、ボールを持って前に出るというところ。それをチーム全体でサポートできるようになれば」と、アタッキングラグビーの爆発にも自信をのぞかせた。

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