同大会は、下記、オーストラリア国内の州、地域の計9チームで構成されている。
・ブリスベン・シティ – Brisbane City
・シドニー・スターズ – Sydney Stars
・キャンベラ・バイキングス – Canberra Vikings
・パース・スピリット – Perth Spirit
・NSWカントリー・イーグルス – NSW Country Eagles
・グレーター・シドニー・ラムズ – Greater Sydney Rams
・メルボルン・ライジング – Melbourne Rising
・ノースハーバー・レイズ – North Harbour Rays
・クインズランド・カントリー – Queensland Country
かつてオーストラリアでは、2007年に同様の「オーストラリアン・ラグビー・チャンピオンシップ」(Australian Rugby Championship=ARC)がおこなわれた。資金的な問題もあり、そのARCは1シーズンだけの開催で終了したが、同大会ではカートリー・ビールがMVPとなった。またクウェイド・クーパーなど、のちに豪州代表ワラビーズの中心選手となる若手選手が台頭し、活躍した。
同様に、今大会でもスーパーラグビー、ワラビーズの面々はもちろんのこと、クラブラグビーの若手選手なども多く出場し、来シーズン以降、スーパーラグビーをはじめ、国際舞台でも活躍が期待される新星たちがのびのびとチャレンジブルにピッチを駆け回っている。
今回のNRCでは、新たなポイントシステムも注目のひとつとなっている。
PG、DGでの得点はいずれも2点。そして、トライ後のコンバージョンが3点となり、1回の得点チャンスで最大8点(トライ+G)を得ることができるようになっている。その影響はピッチの上で顕著で、PG、DGで得点を重ねるのではなく、果敢にトライを狙いにいく試合展開が増加。ボールを動かすスピーディーでフィジカルなゲームが繰り広げられている。
またトライを重視するものの、トライそのものの得点は今までと同じため、コンバージョンの重要性が高まった。PG、DGの得点が下がったとはいえ、正確なゴールキッカーの存在は引き続きクローズアップされたままだ。
今季の開幕戦、ブリスベン・シティ×シドニー・スターズの試合では、シドニー・スターズが早々に4トライを挙げてゲームを支配したかに思われたが、そのすべてのコンバージョンを外して20点。一方ブリスベン・シティは前半終了間際になんとか2トライ目を挙げてゴールも成功、16点とすると、一気に反撃ムードが高まり、後半にもトライを重ねる。最終的には45-20で見事な逆転勝利を手にした。このポイントシステムを象徴するようなゲームとなった。
NRCは10月19日まで9ラウンド開催され、各チーム8試合の総当り戦。その後、上位4チームよるファイナルシリーズがおこなわれる。ザ・ラグビーチャンピオンシップ終了後にはワラビーズの中心選手も各所属チームで出場する予定。スーパーラグビーでのチームメイトがライバルチームで戦ったり、ラグビーファンにとっては新たな楽しみとなるコンペティションとなりそうだ。
初代チャンピオンはどのチームか? そして、新スターの誕生が楽しみだ。
【写真】
8月23日におこなわれたNSWカントリー・イーグルス×グレーター・シドニー・ラムズは、31-2でNSWカントリーの勝利。写真中央はNSWカントリーのLOケーン・ダグラス。左端はラムズのPRベン・ロビンソン。(撮影/YASU TAKAHASHI)