ラグビーリパブリック

Berrick Barnes ベリック・バーンズ (パナソニック ワイルドナイツ)

2014.08.22

 オーストラリア代表の中心選手として活躍していた2013年にパナソニック ワイルドナイツ入りを決意し、世界中のファンを驚かせた。2013-2014シーズン、ジャパンラグビートップリーグ1年目でリーグ戦MVPに輝く。レギュラーシーズンの得点ランキングは8位(93点=3トライ、18ゴール、14PG)と数字上は平凡だったが、好判断のパス、キック、ランでチームを引っ張り、プレーオフでも奮闘して3季ぶりのトップリーグ優勝に貢献した。もちろん、ベストフィフティーンにも選出。日本選手権でも司令塔として活躍し、2冠達成を仲間と喜んだ。

 オーストラリアのブリスベン出身。ニックネームはバーンズィー。
 少年時代はクリケット、競泳でも非凡な才能を見せ、バタフライで州の高校生チャンピオンになったことがある。楕円球スポーツも愛し、高校卒業後に選んだ道はプロのラグビーリーグ(13人制)だった。13人制の世界最高峰リーグともいわれるNRLでデビューを果たしたが、19歳のとき、現在もプレーしているラグビーユニオンに転向。スーパーラグビーでは、レッズ、ワラターズで活躍した。

 SO、CTB、FBをカバーできるユーティリティプレーヤーで、2007年9月、ワールドカップの日本代表戦でテストマッチデビュー。以来、51キャップを重ねた。攻守両面において信頼が厚く、来年のワールドカップでワラビーズ(オーストラリア代表)に復帰することを願っているファンは多い。

 実は3年前、選手生命の危機に直面した。2011年2月末のスーパーラグビー(レッズ戦)で脳震とうを起こし、長期間、偏頭痛に苦しみ、医者に助言されて無期限の休養を発表。引退かと思われたが、バーンズは同年のワールドカップ出場をあきらめず、ワラビーズのジャージーを取り戻してニュージーランドで開催された大舞台に立った。
 バーンズの熱意に胸を打たれ、信頼してオーストラリア代表のワールドカップスコッドに招集したのは、今季からパナソニックの指揮官となったロビー・ディーンズ監督だ。

 現在所属するパナソニック ワイルドナイツの公式サイトでは、選手たちの座右の銘も紹介されており、バーンズは『トム・ソーヤーの冒険』など世界的名作を書いたアメリカ人小説家、マーク・トウェインの言葉をいつも心に留めているという。
 「今から20年後、あなたはやったことよりもやらなかったことに失望する。だから、綱を解き放ち、安全な港から船を出し、帆に貿易風をとらえよ。探検し、夢を見、発見せよ」

【選手データ】
・ポジション: SO、CTB、FB
・生年月日: 1986年5月28日(28歳)
・出身地: オーストラリア(ブリスベン)
・身長: 183?  体重:87kg
・現所属: パナソニック ワイルドナイツ
・プロキャリア: レッズ(豪)→ ワラターズ(豪)→ パナソニック(2年目)

【ジャパンラグビートップリーグ 表彰】
・リーグ戦 MVP: 1回 (2013-2014シーズン)
・BEST 15 選出: 1回 (SO/2013-2014シーズン)
 
【オーストラリア代表】
・デビュー: 2007年9月8日 (対 日本代表)
・CAP: 51
・得点: 200 (8T、17Conv、34PG、8DG)
・ワールドカップ出場: 2007、2011年大会 (計 9試合出場/先発5、リザーブ4)

※ 記事内のデータは、2014年8月21日現在
(写真撮影:松本かおり)

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