ユース五輪が開催されている中国・南京は決してラグビーの盛んな国、地域ではない。しかし五輪の正式種目に決まったこともあり、中国では中学・高校レベルでも少しずつラグビーに取り組む動きも見られるようになった。
開催地の南京でも地元チームが組織されてきている。南京女子チームの姿が会場で見られたので話を聞いてみた。
「ラグビーは勇敢なスポーツでしょ、仲間の為に闘う姿勢が大好き」
そう話したのは16歳の女の子、劉さん。彼女はナショナルチーム入りを目指して中学からラグビーを始めた。夢は代表選手になって海外遠征に行き、国際交流を図ること。「日本の女子チームが南京に来てくれて、試合をできるといいな」と語る。
今回の代表チームに娘が選ばれた高さんも、中国でのラグビー普及を願う一人だ。
「娘が国家のために闘うことを誇りに思う。正代表に選ばれることを祈ってるんだ。実はルールはよくわからないんだが、駆け抜ける選手を見ているとスカっとするね」
中国チームの活躍に大きな声援を送っていた。その横でお母さんが言う。
「でもぶつかったりするでしょ、ちょっと乱暴よね。怪我しないかヒヤヒヤするわ」
どこの国でも、母親は子供の怪我が心配だ。
「地元で五輪開催!」と学校や地域で動員をかけられたのだろう。お揃いの帽子を被って観戦している団体がいて、「ラグビーってヘルメットかぶるのじゃなかったっけ?」なんて声も聞こえてきた。「とにかく地元で五輪開催は誇らしいからね。子供の思い出にもなるから、見に来たんだ。ラグビーはよくわからないけど、チケットを買えたのがこれだったんだよ」なんて親子連れも。しかし、中国チームの活躍にはスタンドが一体となった声援が飛び、興奮は高まっていた。
7人制ラグビーの持つスピード感が徐々に中国を魅了しつつある。