日本代表26キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のSO/CTB立川理道は23日、クボタの一員として日本最高峰のトップリーグの開幕を迎える。「クボタのラグビーのなかでどれだけパフォーマンスを上げていけるか。そこが代表にもつながる」と決意を抱く。
「今年のストラクチャーのなかでは完璧にフィットしているわけではないでしょうけど、(入部)3年目ですしかなり意見も言えるようになった。何と言ったらいいのか…チームの、中心としてやっていけるようになっています」
19日、千葉・クボタ船橋グラウンドでの午前練習後。単独取材に応じたSO/CTB立川が開幕への意気込みを語った。日本代表のツアーやオーストラリア留学などを経て、夏場から本格合流。キヤノンから加入したニュージーランド代表36キャップCTBアイザイア・トエアバとともに、今季の攻撃をリードしそうだ。
「トエアバはうまいですし、安心して任せられる。まだ完全には合っていないですけど、僕としてはいてくれてすごく楽です。コミュニケーションをしっかり取っていかないといいものはできない。それはトエアバもわかってくれている」
自身としてはトップリーグでの1年目だった昨季は9位。下部から3季ぶりに昇格したチームはファーストステージのプールBで4勝3敗、勝点20とするも、得失点差でセカンドステージのグループA入り(各プール4位以内)を逃した。日本選手権出場を争うワイルドカードは同8位のNECに10-47で敗れ(2月1日/大阪・近鉄花園ラグビー場)、シーズンを終えていた。
ラストゲームを欠場していたSO/CTB立川は、昨季を「どれだけいいパフォーマンスをし続ける。これが難しいとわかった」と振り返った。
「しんどい時、自分がどれだけ声をかけられるかが大事だし、ベテラン選手と一緒にチームを盛り上げられたらと思います。今年だったら(ファーストステージの)最初の3試合が重要。ここで勝ち越さないと(加わったプールAの)トップ4は見えてこない」
1月下旬、ブランビーズの本拠地であるキャンベラ(オーストラリア)へ渡った。国内3人目のスーパーラグビープレーヤーを目指したが、叶わず。「ディフェンスの2人目は(SO/CTB立川が得意なボール奪取ではなく)セカンドタックルに入る」など、チーム内の常識を理解するのに時間がかかった。公式戦をスタンドで観戦しては「頑張って欲しいとも思ったし、ちょっと、ヘマして欲しいとも…。ただ、基本的にはあのチームのことが好きだった」。苦い日々を過ごした。
「(世界と日本は)違いは感じたけど、追いつけないかといったらそうでもない。ただ、いますぐそこで活躍できたかと言うと、できなかったかな、と。英語がしゃべれない部分を差し引いても…と思わせるものを自分は持っていなかったと思う。出られなかったことは悔しいけど、それをこの先『行って良かった』と思えるかどうかは自分次第なので…」
まだまだ海外挑戦を諦めない若き司令塔。23日のトップリーグ開幕節、昨季最終戦で仲間が大敗したNECを迎え撃つ(東京・秩父宮ラグビー場)。