ブラジルのサンパウロで開催されてきた第6回世界学生選手権の7人制ラグビーは、大会最終日となった現地時間10日に順位決定戦がおこなわれ、男子はイギリス、女子はカナダが優勝した。
男子決勝でベルギーと対戦したイギリスは、先制トライを許したものの、後半、相手がシンビンで一時退場者を出した直後に同点に追いつき、その数分後、ベルギーが攻め込みながらパスが乱れたところをカウンターで逆転。さらにイギリスは追加点を奪い、17-7で逃げ切った。
女子決勝は、カナダがフランスに26-17で勝利。先制しながら、相手に3連続トライを奪われ、一時は10点差をつけられたカナダだったが、アグレッシブに攻め続けて後半に逆転し、同大会で3回目の優勝を遂げた。
日本は、男子が5位(プレート優勝)、女子は7位(プレート3位)。
4強入りを逃した男子セブンズ学生日本代表は、最終日は5〜8位を決めるプレートトーナメントに参加し、初戦は中華台北を45-5と圧倒。プレート決勝(5・6位決定戦)はナミビアと対戦し、14-5で迎えた後半2分、合谷和弘のトライでリードを広げると、その3分後にはサポートプレーの連続で最後は染山茂範がインゴール右隅に飛び込み、24-5で、勝って大会を締めくくった。
女子セブンズ学生日本代表はプレート準決勝でベルギーと対戦し、前半に斎藤聖奈がファイブポインターとなったものの、後半、相手に2トライを奪われ、5-10で逆転負けを喫した。その後、7・8位決定戦(プレート3・4位決定戦)に臨む予定だったが、対戦相手のモロッコが辞退したため、不戦勝で日本が7位となった。
■男子セブンズ学生日本代表 瀬川智広ヘッドコーチ
今大会は上位に行けるチャンスがあり、優勝を目指していたなかで、フランスやイギリスにあと一歩で勝利を手にすることができなかったのは、非常に残念。セブンズの経験の少ない若い選手で構成したメンバーで臨んだので、今回の経験は大きい。今後につながる大会になった。
■男子セブンズ学生日本代表 高森一輝キャプテン
大学生が中心の若いチームだったが、短い期間でまとまりのあるチームを作ることができた。フランスとイギリスに逆転負けしてしまったことは経験の差が出たのだと思う。今回の大会を通して(他国と比べて)感じたことは経験の差。これからもっと経験を重ねて世界との差を埋めていきたい。
■女子セブンズ学生日本代表 吉岡麻里子ヘッドコーチ
シンプルに前に出ていくこととサポートをすることをテーマに徹底して言い続けた。プール戦では、課題を残しつつも一戦ごとにチームでやるべきテーマを実践できた。特に開催国ブラジルとのゲームではその成果を出せたと感じている。その後の試合では前に出るディフェンスはできたものの、ボールを奪い返したあとのアタックで細かなミスが続き、得点につなげることができなかったことが敗因。
短い準備期間でテーマを達成するために、お互いを理解しあおうと選手たちは努力したと思う。小さなミスが勝敗を分けることを痛感した大会だった。
■女子セブンズ学生日本代表 鈴木実沙紀キャプテン
自分たちのやるべきことに対してその達成度の幅があり、その幅が勝敗につながってしまった。予選はよく戦うことができたが、決勝トーナメントで勝ち切れなかったことが、自分たちの弱さが出ていたことを示している。
今回の経験を糧に、それぞれ所属チームに戻ってもトレーニングを積み重ねて成長していきたい。各選手が課題を克服し、質の高いトレーニングを続けることで、次の国際大会で活躍できるようになりたい。