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東芝がサントリーとのTL前哨戦制す 廣瀬「自分たちの戦い方見せたかった」

2014.08.09

hirose

廣瀬俊朗(撮影:BBM)

 日本最高峰トップリーグ(TL)で11季連続4強入りも4季連続で無冠の東芝は、8日、東京・東芝グラウンドでの練習試合でTL昨季準優勝のサントリーを40-26と下した。ここ数年来はおもにWTBを務めてきたSO廣瀬俊朗は、新体制のもと整備してきた攻撃組織を機能させた。

「左! 左!」。0-5とリードされて迎えた前半12分。SO廣瀬の声を受け、ハーフ線付近左スクラムから球を受けたSH小川高廣が「左」のスペースを大きく突破する。敵陣22メートルエリアへ突入。ここから東芝は一旦右へパスを振り、続けて左へ小刻みにラックを重ねる。最後はFB夏井大輔がインゴールを割った。直後のゴール成功と相まって7-5と逆転した東芝は、以後、リードを保った。

 今季のチームは、多彩な攻撃陣形(シェイプ)を素早く作ってボールを動かす。夏場に本来の持ち味である接点での激しさと技術を再点検して迎えたこの日は、アグレッシブアタッキングが合言葉のサントリーを向こうに持ち味を発揮。冨岡鉄平新ヘッドコーチ(HC)が「目指す形を出せたのは大きい」と振り返るなか、SO廣瀬もこう話した。

「きょうは自分たちの戦い方を見せたかった。今年は形を重視しようと言っていながら、フィジカルでドミネートできた。そこが嬉しかったかな、と。やっぱり自分たちの強さって、ここだから」

 昨季終盤、約6年ぶりにSOを務めた。今季は春先から日本代表でも任され始めたSOと、長らくプレーしてきたWTBという、2つのポジションで出場機会を伺っている。SO森田佳寿主将が肩の故障で戦列を離れるなか、冨岡HCも「我々の構想では、俊はSOでも考えている」と期待している。

「エディーさん(ジョーンズ日本代表HC)ともコミュニケーションを取らせてもらっている。『SOを練習させて欲しい』と。WTBの間合いも知っていてSOもできる、面白い選手。森田と競わせていく」
 
 開幕節は22日、相手はパナソニックだ(東京・秩父宮ラグビー場)。プレイングアドバイザーとして指導陣と選手のパイプ役も務める廣瀬は、「大枠のシェイプは良くなってきたので、あとはディテール。細かい入り方(位置取りなど)、どこにボールを動かすか、あとはブレイクダウン(接点でのプレー)の精度とか…」と展望を語った。

(文:向 風見也)

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