(撮影:松本かおり)
日本代表22キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のSO小野晃征は、4月から6月にかけ幼少期に過ごしたニュージーランドでリフレッシュ。いまは所属先のサントリーで国内最高峰のラグビートップリーグ(TL)の開幕を見据える。
一昨季から代表の司令塔だったSO小野には、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)からかかる期待も大きかった。ジャパンのツアー中の直接指導に止まらず、サントリーでプレーする間も1日複数のメールでだめを出された。渦中、本人はオーバーフロー気味だったか。サントリーと日本代表から一時的に離れることにした。復帰後の日本代表選出に関しては首脳陣に一任したものの、来秋のワールドカップイングランド大会を見据えての決断だという。
「サニックス、サントリー、ジャパン、とやっていくなかで、去年のシーズン、納得するほどは成長をしなかった感じがしたんです。メンタルのリフレッシュとワールドカップに向けた成長のために、ラグビーから離れたいという相談をエディーさんにしたんです」
ジョーンズHCの「マインドチェンジして帰って来い」という言葉を受け、現地では休息の延長線上でクラブレベルのラグビーに参加した。「周りは楽しさのためにやっている人たちだった。グラウンドに出た瞬間、チームメイトとのソーシャルを楽しんで、と」。7月に帰国し、14〜18日に長野・菅平であった日本代表候補合宿に帯同した。
「セット(プレー)からの攻撃の精度をどれだけ上げるか、という意味ではポジティブな合宿だった。他の国と比べたら身体も小さいので、ただでかい人にボールを渡して…というのは無理。1人ひとりが役割を知ったなかで攻撃しないと」
8月2日、今年度2シーズンぶりにTLへ復帰するサニックスとの練習試合を26-5で制した。2007〜11年度に同部でプレーしていたSO小野は背番号10をつけて先発し、ハーフタイムで一時交代も故障者の兼ね合いで後半途中からグラウンドへ復帰。お家芸であるアタッキングラグビーに新たな陣形をインストールさせたチームにあって、軽快に球をさばいた。
「ラグビーのスタイルが変わったなか、一緒にいる時間も短かった。ここから細かいところをやって(突き詰めて)、開幕のころにはある程度は出来上がっているようにしたい」
22日、熊本市うまかな・よかなスタジアムで昨季14位のコカ・コーラとのTL開幕節に挑む。