ブルズに加入するHOアドリアーン・ストラウス(左)とPRトレヴァー・ニャカニ
南アフリカ勢でスーパーラグビーを制したことがあるのはブルズだけだが、プレトリアを本拠地とするこのチームは今季9位と低迷し、プレーオフ進出をも逃した。優勝杯を手にしたのは2010年が最後だ。
巻き返しを図り、ブルズは大型選手補強に着手。特に伝統的特長である強力FWを復活させるため、国内ライバルチームのチーターズから3人の南アフリカ代表経験者を引き抜いた。
ひとりは、2013年スーパーラグビーの南ア最優秀選手で、チーターズの主将を務めていたHOアドリアーン・ストラウス(28歳)。来年のワールドカップ出場も視野に入れる34テストキャップ保持者のストラウスは、もともとブルズの選手であり、2年契約で古巣に復帰する。
ブルズと2017年10月までの契約を結んだPRトレヴァー・ニャカニ(25歳)はパワフルな黒人スター選手であり、昨年テストマッチデビューを果たし、今年6月のスプリングボックス(南ア代表)スコッドにも名を連ねていた。
そして、FLピーター・ラブスカフニ(25歳)もストラウスやニャカニと同じく、11月1日からブルズに合流する予定。ラブスカフニはまだテストキャップは持っていないが、2013年に南ア代表入りし、南アで最もエキサイティングな若手ルースFWのひとりといわれている。
さらに、バックラインの選手層も厚くしたいブルズは、セブンズ南ア代表で過去2シーズン活躍してきたジャンバ・ウレンゴ(24歳)も獲得。15人制コードにスイッチするウレンゴは2016年10月までの契約にサインし、すでにブルズのトレーニングに参加している。
実はウレンゴもチーターズ出身であり、スーパーラグビーを制すること3回、国内選手権のカリーカップでは2番目に多い23回の優勝を遂げている強豪ブルズが、資金力の弱いチーターズをマネーゲームで泣かせた格好だ。今季スーパーラグビーで15チーム中14位だったチーターズは、司令塔を務めていた22歳の南ア代表SOヨハン・フーセンも失っており(フランスのラシン・メトロへ移籍)、来季も厳しい戦いが予想される。