前年度は関東大学リーグ戦1部で4位に終わった東海大は、26日、大学選手権5連覇中の帝京大との練習試合で5-73と完敗。持ち味の巧妙なランとタックルを重ねたルーキー、FB野口竜司はさらなるバージョンアップを誓った。
3年で兄のSO大輔とともに先発し、前半1分に持ち味を発揮する。フェーズを重ねるなか敵陣22メートル線付近右中間で球をもらうと、細やかな足の刻みで守備網を切り裂き、ゴール前まで直進する。本人は「あれは、外が余っていたんで」と自軍が数的優位を作っていた点のみを強調。後ろから追いかけてきたタックラーに足をつかまれたことを反省する。しかし後半22分、こちらも連続攻撃の折にパスを受け取り、追いすがる相手を「足を上げて」かわし、振り切った。SH湯本睦のトライをアシストした。
「こうだからこう、というより、自分の感覚のなかでずらせる、という感じ」
仕掛け、対面の選手の身体の向きを左右どちらかに動かし、瞬時にその逆を突く。こうした「相手をずらす」動きは得意だと話す。しかし、「インサイドのパワープレーでも前に出たい」とも続ける。関東大学春季大会グループBで出番を勝ち取った春先に感じた課題だ。
大学シーンでは持ち前の技術は通用する手応えを感じつつ、相手の力強さのせいでその技術を発揮しきれない歯がゆさも覚えた。今後の強化ポイントを問われたFB野口竜司は、「キックを遠くまで蹴る。スピードを上げる。そのなかでも、しんどいと思うけど身体も大きくしたい」。巧さを引き立てる強さを得たいと話す。
東海大仰星高の3年だった昨季は、全国高校ラグビー大会で日本一に輝いた。大学王者に敗れた午後、「大学選手権優勝」を目指す新人は「試合中、修正点があったときにそれを見つけるタイミングが…。修正点を早く見つけて、次に自分たちが何をするかを早く決めていけるように」。個人、組織の進むべきベクトルを見出していた。
【東海大ラグビー部公式サイト 野口竜司プロフィール】
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