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ジャパン、敵地でカナダに逆転勝ち! リーチ主将「強い精神力ついてきた」

2014.06.08

fujita try

後半早々にチーム初トライを決めるWTB藤田慶和(撮影/KENJI DEMURA)

 後半の集中力とフィットネスで勝利をつかんだ。時間が経つごとに上回ったスクラムが、選手たちを勇気づけ続けた。
 6月7日(日本時間8日)、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バーナビーでおこなわれた、ジャパンにとってのパシフィック・ネーションズカップ今季初戦。前半を9-25とリードされたジャパンは後半に3トライを奪って34-25と逆転勝ちを手にした。

 前半は、やや淡泊なディフェンスでビッグゲインを許すなど、攻められる時間が長かったジャパン。立ち上がりの5分過ぎに先制点(トライ)を許すと、ハーフタイム直前にも2トライを与える嫌な展開だった。
 その流れを断ち切ったのが後半1分のアタックだ。スクラムからの右展開でSO立川理道が抜け出てFB五郎丸歩につなぐ。ラストパスをもらったWTB藤田慶和がインゴール右隅に飛び込んだ。藤田はこのプレーで右肩を痛めてピッチから去ったが、チームに勢いを与える貴重なトライとなった(コンバージョンも決まり14-25)。

 その後も、安定感あるスクラムがチームを勝利に近づけた。
 後半14分、ジャパンはスクラムで圧力をかけて反則を誘い、PGで加点する(17-25)。21分には『ハチキュー』で右に攻めたことと、スクラムでのプレッシャーで相手バックローのディフェンスを翻弄し、バックスのムーヴでCTB田村優が抜け出しトライ(コンバージョンも決まり24-25)。カナダを追い詰め、走れなくしていった。
 そして、逆転の時間は29分だった。ジャパンの連続攻撃にカナダはついて来られなかった。ディフェンスの隙間を、SH田中史朗からフラットなパスをもらったNO8ヘンドリック・ツイが走る。ど真ん中に駆け込むと五郎丸もコンバージョンを決め、ついに31-25と追い越した。
 試合終了間際にも五郎丸がPGを追加して34-25と、見事な逆転勝ちだった。

「カナダが強いというのは試合の最初でわかった。スクラムはハーフタイムにスクラムコーチから修正の指示をしたので、後半良くなった。アタックシェイプとディフェンスも、後半良くなった。選手のフィットネスが高くなってきている。後半は25-0。そういう試合はいつもできるわけではない」とエディー・ジョーンズ ヘッドコーチが振り返った試合を、リーチ マイケル主将は、「前半はマイボールのスクラムが少なく、相手もまだ疲れていなかった。畠山がスクラムはいけると言ってくれたのも安心した材料のひとつ。前半は苦しい戦いでアタックが思うように出来なかったが、勝利できてうれしかった。チームのひとりひとりが、人任せにしない強い精神力がついてきて自立したチームになってきた」と語った。

 スクラムについてHOの堀江翔太副将は、「カナダが大きかったので最初は難しい部分があったが、試合中に選手同士で話をして相手の高さに合わせたり修正することができたのが大きい」と振り返った。SH田中は「今まではこのような試合は難しかったが、今回はアウェーで勝利を収めることもできた。ただ、自分たちよりランキングが下のチームとこういう試合をしてしまったことは反省したい」と語り、CTB田村は「自分と立川がプレッシャーをかけられていたが、ふたりの立ち位置を少し修正して良くなった。前半は相手にプレッシャーをかけられたので、みんなパニックになっていた。ディフェンスはよくなっているが、それ以外に新しく取り組んでいることがすぐうまくできないのは当たり前。これから慣れていくことが大事」。それぞれの反省は次戦に活かされそうだ。

 ジャパンはこれで、昨秋のロシア代表戦から続くテストマッチの連勝を「8」とした。6月14日(日本時間15日)にはロサンゼルスでアメリカ代表と戦う。

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