試合後の青空アフターマッチファンクションが盛り上がっていた。女子は、本当にみんな仲がいい。
6月1日、東京・辰巳の森海浜公園ラグビー場。15時キックオフでおこなわれたU18香港女子代表来日交流戦第2戦(最終戦)は、U18関東・関西合同がU18香港代表に65-12で快勝した。香港は5月29日の関東選抜戦に続く黒星で、ツアーを2戦全敗という結果で終えたが笑顔でファンクションに臨み、はじけていた。前戦の完封負けから、2トライを奪う前進も嬉しかったのだろう。
関東選抜戦に続き、関東・関西合同チームの主将を務めたのは佐藤優(我孫子高校3年)。仕掛けと周囲を使うプレーに長けるSOの存在もあって、関東・関西合同は時間の経過とともに攻撃力の差を見せつけた。
慣れ親しんでいるセブンズの影響もあったか、序盤はFWがブレイクダウンに寄りきれなかったり、その局面での反則も目立った。香港に初めて許したトライも、シンビンを受けた直後だった。前半は22-5とリードも、満足できる時間帯は少なかった。
ペースをつかんだのは、ボールがより大きく動き始めてからだ。
後半10分あたりから、走力の差と展開を意識する気持ちの違いがハッキリ出た。前半から力強い走りを見せた内山真希奈(國學院栃木高校3年)、後半から出場のバティヴァカロロ ライチェル 海遥(板橋有徳高校2年)らCTB陣が前へ出たことで、WTB新原響(東海大相模高校3年)をはじめとしたアウトサイドのランナーもスピードにのった。フルタイムに近づくほどに、攻撃が滑らかになった。
滅多にない機会を全員が楽しめた。
この日FBで先発し、試合終盤にはSOでもプレーした山本久代は15人制の試合を初めて経験した。中学時代までバレーボール部に入っていた彼女は、神戸甲北高校入学後(現在3年生)に楕円球を追い始める。日頃は男子部員とともに15人制の練習はしているが、これまでの試合はいつもセブンズだった。
「15人制は(セブンズより)コミュニケーションが必要だな、と思いました。レベルの高い人たちと一緒にプレーできて嬉しかったし、楽しかった」
走って抜くのが得意という好ランナーは、「積極的にプレーする」という目標をしっかり果たした。
キックチェイスから好タックルを見せたWTB本堂杏実(日体桜華高校3年)は、そのシチュエーションを「自分の見せ場」と話し、「あのプレーを、こういう試合で出せてよかった」と笑顔を見せた。
「15人制、好きなんですよ」
海老名ラグビースクールで幼稚園の頃から走り始めた新原響も「15人制、好きなんです」と言い、その理由をこう話した。
「ラグビーらしいじゃないですか」
セブンズのスピード感と個の輝き。15人制の格闘要素と個々のつながり。女子ラグビー発展の両輪になってほしいな。