怪我と病気を克服し、今季スーパーラグビーで復活(撮影/AKIHIRO HAYANAMI)
ジョージ・スミスという世界最高クラスのFLを失ったサントリーサンゴリアスだが、彼に匹敵するほどのハードワークをするスーパースターを獲得した。国際ラグビーボード(IRB)の年間最優秀選手賞を受賞したことがある、南アフリカ代表68キャップ保持者のFL/NO8スカルク・バーガー(31歳)だ。
リーダーシップに優れ、アフターマッチファンクションをこよなく愛する好漢。グラウンド上では荒々しく、ブレイクダウンでは鬼と化し、無尽蔵のスタミナでハードタックルを連発する。オープンプレーも積極的で、ディフェンダーを引きつけての巧みなオフロードはサントリーのアタックをさらに充実させるのは間違いない。
2003年に南ア代表デビューを果たし、翌年には21歳の若さでIRBと南ア協会の年間最優秀選手賞をダブル受賞。2007年のワールドカップでも輝き、南アに12年ぶりの優勝をもたらした。
恐れ知らずのハードファイターだ。口を25針縫うほどの大怪我をしても、ろっ骨を折っても、プレーし続けたことがある。選手生命にかかわるほどの首の大怪我も経験した。昨年は、細菌性髄膜炎という深刻な神経系の感染症にかかり、フィールド復帰は難しいと思われた。
しかし、バーガーは復活した。今年のスーパーラグビーで、いまなおトップレベルでプレーできることを証明し、2011年のワールドカップ以来、代表チームからは遠ざかっていたものの、6月のテストマッチシリーズで3年ぶりにスプリングボックスのグリーン&ゴールドジャージーを着る。来年のワールドカップも視野に入っており、日本ラグビー界参戦は遊びではない。
8月に来日予定のバーガーは、「サントリーサンゴリアスでプレーできることをとても楽しみにしています。(南ア代表のチームメイトである)フーリー・デュプレアや多くの選手が活躍しているすばらしいチームでプレーできること、また、2019年にワールドカップを控え、ラグビー熱が高まっている日本という国でプレーできるということを、とても光栄に思っています。チームに貢献できるように、頑張りたいと思います」と、チームを通じてコメントした。
サントリーはバーガーのほかに、スーパーラグビー出場経験がある同じ南ア出身のFL/NO8ジャスティン・ダウニー(27歳/シャークス)も2014度シーズンから新加入することを明らかにした。ダウニーは6月中旬のチーム合流を予定している。