(撮影:松本かおり)
2014-2015シーズンのセブンズ・ワールドシリーズ、今年9月30日〜10月2日に開催されるアジア競技大会、そしてアジアセブンズシリーズと、世界との試合が続く男子セブンズ日本代表の輪郭がはっきりした。
日本ラグビー協会は5月27日、男子セブンズ日本代表/女子セブンズ日本代表の2014年度活動計画を発表するとともに、男子セブンズ2014-2015シーズンスコッドを発表した。同スコッドに名を連ねたのは、コアスコッド=9人、トレーニングスコッド=18人の合計27人。コアスコッドについては、本人と所属チームの意思確認を経ており、年間約150日におよぶすべての活動に参加する(できる)。この9人に、各大会、各合宿ごとにトレーニングスコッドから選手を追加し、遠征、活動をおこなっていく。
以前、本城和彦セブンズディレクターがトップリーグ全チームへ選手派遣の依頼をしたこともあり、同リーグの全16チームから選手がリストアップされた。「最大でも3人まで」の約束通り、複数人の選手が選出されたのは、豊田自動織機、東芝、トヨタ自動車の3チームだけ。最大で2人となった(トップキュウシュウの九州電力からも2人)。
今回発表されたメンバーは、すべて瀬川智広ヘッドコーチの意向で選出した選手たちだ。当初選出した選手のなかには、おもに15人制をプレーしていきたいと、今回のスコッド選出を断った選手もいた。また、2016年のリオ五輪予選も兼ねる2014-2015セブンズ・ワールドシリーズ(シリーズ総合順位で上位4位チームが五輪出場権獲得)への出場はパスポート保持者に限られる。しかし、アジアセブンズシリーズについては(五輪予選を兼ねることがない限り)従来のIRB資格適用のため、現段階ではパスポートを持っていない外国人選手たちも選出されている(すでに帰化申請をしている選手もおり、活動期間途中で受理される可能性もある)。
瀬川ヘッドコーチは、初めてコアチームとしてセブンズ・ワールドシリーズの全大会に出場する新シーズンの目標を次のように語った。
「セブンズ・ワールドシリーズでは、(総合成績)ベスト10を目指したい。これは、2013-2014シーズンで言えばフランスです。3大会でカップ戦に進み、そこに進出できないときはボウル優勝などの成績も残し、安定していましたから」
2015年の目標に関してはオリンピック予選突破、ワールドシリーズでの総合成績ベスト8。2016年にはリオ五輪でメダルを手にする意志を示した。
同ヘッドコーチは今回のメンバーの経験値を高め、それをチーム力に結びつけたい。
「参加したグラスゴー大会、ロンドン大会(2013-2014シリーズ/今年5月)を終えたときの日本代表全選手のイベント数(シリーズ各大会への参加回数)は42でした。桑水流が19でいちばん多く、続く坂井が8。シリーズ総合優勝のニュージーランドは279イベントです。私たちも(五輪に向けて)2年かけて増やしていきたい」
進化へ、ピッチ上での鍵はディフェンスだ。
「ジャパンのワールドシリーズでの1試合平均は約2トライ獲得、約5失トライです。上位チームは、その数字が逆。ボールを手にしたときには得点できる間隔をつかんできましたが、手渡したときにもっと守れないと勝てない」
6月に2回、7月に1回おこなうセブンズシニアアカデミーの活動を利用して、弱点を克服していく予定だ。
スコッドにはリーチ マイケルや、山田章仁、福岡堅樹、藤田慶和ら15人制日本代表の名前も入っている。これについては、その時期が日本ラグビーにとって、15人制、7人制のどちらに注ぐ期間なのかをエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチらと話し、活動の優先順位を決める方針だ。
また、2016年リオ五輪のアジア予選に関しては、その日程、決定方法とも今年8月までに決定され、来年の6月から11月までの間におこなわれる見込みとなっている。
<男子セブンズ 2014-2015シーズン スコッド>
【コアスコッド/9名】
ロテ・トゥキリ(北海道バーバリアンズ)、橋野皓介(キヤノンイーグルス)、坂井克行(豊田自動織機シャトルズ)、豊島翔平(東芝ブレイブルーパス)、ロマノ・レメキ(ホンダヒート)、小澤大(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、渡邊昌紀(リコーブラックラムズ)、ジェイミー・ヘンリー(PSIコストカッツ)、羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)
【トレーニングスコッド/18名】
ラトゥイラ レプハ(近鉄ライナーズ)、山田章仁(パナソニックワイルドナイツ)、桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)、田中渉太(ヤマハ発動機ジュビロ)、シオネ・テアウパ(豊田自動織機シャトルズ)、細田佳也(NECグリーンロケッツ)、笠木大(NTTドコモレッドハリケーンズ)、リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス)、長野直樹(サントリーサンゴリアス)、高井迪郎(九州電力キューデンヴォルテクス)、萩澤正太(クボタスピアーズ)、鶴岡怜志(宗像サニックスブルース)、加藤誠央(九州電力キューデンヴォルテクス)、彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、山下楽平(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)、福岡堅樹(筑波大学 3年)、山本浩輝(筑波大学 4年)、藤田慶和(早稲田大学 3年)
<男子セブンズ日本代表>
試合日 | 大会名 | 開催地・会場 |
---|---|---|
8月23日(土)、24日(日) | HSBCアジアセブンズシリーズ2014 第1戦・香港大会 |
香港 |
9月6日(土)、7日(日) | HSBCアジアセブンズシリーズ2014 第2戦・マレーシア大会 |
クアラルンプール |
9月30日(火)〜10月2日(木) | 第17回アジア競技大会 | 韓国・仁川 |
10月11日(土)、12日(日) | HSBCセブンズワールドシリーズ2014-2015 第1戦・オーストラリア大会 |
ゴールドコースト |
10月18日(土)、19日(日) | HSBCアジアセブンズシリーズ2014 第3戦・上海大会 |
上海 |
12月5日(金)、6日(土) | HSBCセブンズワールドシリーズ2014-2015 第2戦・ドバイ 大会 |
ドバイ |
12月13日(土)、14日(日) | HSBCセブンズワールドシリーズ2014-2015 第3戦・南アフ リカ大会 |
ポートエリザベス |
<男子セブンズ学生日本代表>
試合日 | 大会名 | 開催地・会場 |
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8月8日(金)〜10日(日) | 世界学生選手権 | ブラジル・サンパウロ |
<男子セブンズユース日本代表>
試合日 | 大会名 | 開催地・会場 |
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8月17日(日)〜20日(水) | 第2回ユースオリンピック競技大会 | 中国・南京 |
<女子セブンズ日本代表(サクラセブンズ)>
試合日 | 大会名 | 開催地・会場 |
---|---|---|
8月23日(土)、24(日) | ARFUアジア女子セブンズシリーズ2014 第1戦・香港大会 | 香港 |
時期未定 | アジアパシフィック女子セブンズ2014 | 上海 |
9月 | IRB女子セブンズ ワールド シリーズ2014-2015 コアチー ム昇格決定大会 |
未定 |
9月30日(火)〜10月2日(木) | 第17回アジア競技大会 | 韓国・仁川 |
10月18日(土)、19日(日) | ARFUアジア女子セブンズシリーズ2014 第2戦・上海大会 | 上海 |
※ 11月〜2015年5月(予定)「IRB女子セブンズワールドシリーズ2014-2015」
試合日 | 大会名 | 開催地・会場 |
---|---|---|
8月8日(金)〜10日(日) | 世界学生選手権 | ブラジル・サンパウロ |