関東大学リーグ戦1部で昨季3位の大東大にあって、攻撃を先導するのはSH小山大輝だ。身長169センチ、体重62センチと細身だが、持ち前の瞬発力で密集の脇を果敢にえぐる。「学年に関係なく、いいもの順で使う」という青柳勝彦監督のもと、新人時代の昨季からレギュラーに定着している。
北海道芦別高時代は全国レベルの大会とは無縁も、2012年度の高校日本代表となった。大東大入学後も鋭いサイドアタックを連発し、チームメイトからの信頼を集めた。同学年で昨季からHB団を組んだSO川向瑛は「大輝が持った瞬間、裏(のスペース)にフォローにつく」とプレー中のイメージを語り、FL/NO8長谷川崚太は「すごいスタミナで、80分間、ずっとスピードが落ちないんです」と称賛する。
4月7〜19日、20歳以下日本代表が香港でのジュニアワールドラグビートロフィーで優勝。来季のジュニアワールドチャンピオンシップ(上位国の同年代代表による大会)への参加権を勝ち取った。実は水面下で招集が打診されていたSH小山だったが、怪我で参加できなかった。
「優勝したのは誇らしい。それと…自分も、同じ場所に立ちたかった」
もっとも、世界への道はまだ広がっている。今季の目標を聞かれたSH小山は、「大学選手権で上位を狙っていきたいです。それと個人的には、ジャパンを目指して頑張っていきたいです」。現在参戦中の関東大学春季大会Aグループでのトライアンドエラーを、将来の日本代表入りへつなげたい。
(文・向 風見也)