帝京大3年のHO坂手淳史は現在、育成選手として帯同可能な日本代表のツアーに合流できるよう、徐々にコンディションを上げている。昨冬から春にかけてリハビリを重ね、現在は関東大学春季大会グループA(関東大学対抗戦Aと関東大学リーグ戦1部の昨季上位3チームが参戦)に出場している。
11日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場。流経大(リーグ戦1部・昨季1位)を71−5で下した春季大会の3戦目で、後半21分から2戦連続となる途中出場を果たした。24分にグラウンド中盤左中間でボールを得ると、複数のタックラーが並ぶスペースを縦に突っ切る。攻撃は続き、WTB尾崎晟也がインゴールへ直進。その頃には、HO坂手とぶつかったらしい相手のNO8ジョージ・リサレがグラウンド場で倒れていた。試合後、海外でのプレーも目指すジャパン候補はこう振り返った。
「きょうはアタックを(重点的に)やろう、と思っていた。何回か外国人が(自分のところへ)来たなと思ったときは、気を入れて当たりました。外国人選手は腕力、スピードがあるけど、やられたくはなかった。これから海外の人を相手に戦うことが多いので」
スクラムやラインアウトに必要な技術と身体の強さ。HO坂手はこれを強化ポイントに挙げる。
5連覇を達成した大学選手権の決勝(対 早大 ○41−34/1月12日/東京・国立競技場)で足の怪我を負った。その後の日本選手権は欠場も、雌伏期間は筋力アップに注力した。ベンチプレスで持ち上げられる最大重量を、故障前の「125〜30キロ」から「140〜45キロ」に高めた。「125〜30はコンスタントに上がるようになりました」。スクラムで重要とされる背筋も「ジャパンで教えてもらったメニューも取り入れながら」強化した。「それをラグビーで活かせたら」と前を向く。
「期待されているのはわかってますし、何を鍛えて何を進化させないといけないかもわかってるので。早くジャパンに入ってプレーしたいです。学生ということでフィジカルが弱いと見られていると思うので、怪我しない身体、世界に通用する身体を作っていきたいです」
帝京大は6月8日に帝京大グラウンドで慶大(対抗戦A・昨季3位)と対戦。日本代表は25日までアジア五カ国対抗で来年のワールドカップへの出場権を争い、それ以降はパシフィック・ネーションズカップなど4つのテストマッチ(国同士の真剣勝負)を予定している。