一昨季の国内最高峰のトップリーグで最多トライゲッターに輝いたパナソニックのWTB山田章仁は、10日、日本代表の一員としてテストマッチ(国同士の真剣勝負)での初トライを決めた。試合後その旨の質問を受け、「そう、なりますねぇ。ありがとうございます」と返した。
「自分がこういうプレーができるというのを、チームメイトにもファンの皆にも伝えなきゃいけない」
スリランカ代表に132−10で勝利したアジア五カ国対抗第2戦(愛知・瑞穂ラグビー場)。国内でのテストマッチも初めてというWTB山田は前半8分、敵陣中盤左タッチライン際でFB五郎丸歩副将のオフロードパスを受け取る。目の前の一本道を駆け抜ける。ゴールポストの真下まで回り込む。笑顔を浮かべた。
「皆、緊張感があって、テストマッチの雰囲気があった。しっかりしたプレーがしたいと思っていました」
続く27分にもインゴールを割り、後半21分まで出場した。もっとも自身のパフォーマンスについては「もっと積極的にボールをもらいに行く場面も必要かな」と反省する。 ワンサイドゲームのなか、ジャパンは中央突破を連発。それに対してタッチライン際を持ち場とするWTB山田は、援護が遅れたために球をもらう回数が限られたという。
「きょうは、真ん中のところでブレイクしてしまっていた。ポジショニングを考えながら、そういうもの(味方の中央突破)もしっかりサポートしていきたい。チャンスをものにできるように集中して、スピードトレーニングもしっかりやっていきたいと思います」
20歳のWTB/FB藤田慶和(早大3年)、21歳のWTB/FB松島幸太朗(サントリー)らとの定位置争いを見据え、「これからまだまだ試合もある。(若手バックスリー陣は)仲間でもライバルでもある。もっと(自分の存在を)アピールすることで、チーム全体も強くなる」と続けた。
日本代表は17日、韓国・仁川文鶴競技場で韓国代表とのアジア五カ国対抗・第3戦をおこなう。