関東大学対抗戦Aで昨季5位の明大は、今季の春季大会Bグループ(対抗戦と関東大学リーグ戦の前年度中位チームが参加)で開幕2連勝中。特に、3日の法大戦では序盤からBK陣が効果的にゲインラインを切り裂き、57−33と大量得点を挙げた。就任2年目の丹羽政彦監督は、終盤に失点がかさんだことを反省しつつも手応えを掴んでいる。
新体制下の昨年度、秋の対抗戦Aでは上位4チーム全てに黒星を喫した。しかも、その4試合での平均得点は12だった。指揮官は「去年は点数が取れなかった。(今季は)少し、アタックの精度を上げよう。自陣からでも頑張って攻めよう、と」と決意した。
「去年(現体制下で)やってきたことで、ラグビーのスタイルは浸透してきた。きちっとシェイプ(攻撃時の型)を組めるようになってきた。各人の仕事の役割分担に関する判断が、よくなってきた」
法大戦では、判断力に定評のあるSO田村煕が球を散らし、パスの軌道へ鋭く駆け込むCTB尾又寛汰がゲインラインを破った。WTB齊藤剛希、20歳以下日本代表のWTB成田秀平も走力とボールタッチへの意欲を示した。
「前へ」を部是とし、伝統的に大型FWの迫力を追い求めてきたチームにあって、PR勝木来幸主将は「やっぱりメイジなんで、前への精神を持って、FWで勝負したい」。しかし、「前への出方は工夫する。SOの横で(FWがボールを)もらったり…」とも語る。陣地を問わずボールを動かす攻めのなかで、FWの力感を活かしたいという。
大学選手権でも3季連続で4強入りを逃し、通算12回もたどり着いた学生王者の座からは1996年度を最後に遠ざかっている明大。11日には岩手・盛岡南公園球技場でトップイースト1の釜石シーウェイブスとの招待試合に、25日には静岡・草薙球技場で筑波大(対抗戦A・昨季3位)との春季大会3戦目に挑む。