スーパーラグビーチームのブルーズ(ニュージーランド)は23日、ラグビーリーグ(13人制)から転向してきたばかりの天才的フットボーラー、ベンジー・マーシャル(29歳)の退団を正式に発表した。本人が契約解除と早期リリースを求めたため、チームはこれに応じた。
13人制の元ニュージーランド代表主将で、NRL(オーストラリアとニュージーランドでおこなわれるプロラグビーリーグ)のビッグスターだったマーシャルは、オールブラックス入りと2015年のラグビーワールドカップ出場を目指し、別の楕円球競技であるラグビーユニオンへの転向を決断、昨年8月にブルーズと2年契約を結んでいた。ハンドリング、フットワークなど超一流で、まずは南半球スーパーラグビーで大活躍が期待されたが、出場機会に恵まれず(大会前半の8試合で、計212分間プレー)、ジョン・カーワン ヘッドコーチから今季は構想外であることを伝えられたため、退団を希望した。
15人制ラグビーに適応するのに苦労したラグビーリーグのスーパースターは、「自分の技術不足に失望し、ラグビーユニオンのフィールドで自分だけラグビーリーグをプレーしているように感じていた。私は平均的なラグビー選手にすぎなかった」と、『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙のインタビューに答えている。
それでも、「後悔はしていない。うまくはいかなかったけど、全力を出したと思っている。ブルーズに入団して自分自身について再発見できたし、ハングリーにもなった。この経験によって、私はより良い選手、より良い人間になったと感じている」とも語った。
マーシャルは今後、13人制ラグビーに戻る予定で、すでに個人マネージャーがNRLのクラブとの交渉を始めている。現時点では、メルボルン・ストームと、クロヌラ=サザランド・シャークスが移籍先の有力候補に挙がっている。