オールブラックス入りと2015年ワールドカップ出場を目指し、今季からラグビーユニオンに転向してきたラグビーリーグ(13人制)の超大物、ベンジー・マーシャル(29歳)だが、2年契約で加入したブルーズでの扱われ方に不満を抱いていたようで、古巣に戻る決断をしたことが明らかになった。
ブルーズとニュージーランドラグビー協会は21日、マーシャル側から契約解除と早期リリースのリクエストがあったことを認め、同国の各メディアも大々的に報じた。
2014年スーパーラグビーの最大の目玉として注目されたラグビーリーグ元ニュージーランド代表主将のマーシャルだが、ブルーズのジョン・カーワン ヘッドコーチ(前 日本代表ヘッドコーチ)は彼をベンチに座らせ続け、これまでの8試合で先発起用したのは1試合だけ。SOとFBでプレーできるが、トータルでわずか212分間(3月のライオンズ戦でフル出場、5試合リザーブ出場)しかプレーチャンスを与えられていなかった。
別の楕円球競技で成功するには、学ぶことも多く時間がかかることを覚悟してブルーズに入団したはずのスーパースターだが、『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙によれば、週末にカーワンHCと話し合いの場が持たれ、指揮官から「来季に向けて下部チームで経験を積むか、ラグビーリーグに戻るかのどちらかだ」と、今季は構想外であることを言い渡され、我慢の糸が切れた。
レギュラーシーズンはまだ半分残っているが、失望したマーシャルはただちにブルーズから退団することを希望しており、今季中にNRL(オーストラリア、ニュージーランドのプロラグビーリーグ)に戻りたい意向を彼のマネージャーに伝えたという。
NRLの選手登録締め切りが6月30日であることも、マーシャルの決断を急がせたに違いない。
近日中に、ブルーズやニュージーランドラグビー協会などと協議がおこなわれる予定。しかしマーシャルは、NRLクラブとの移籍交渉を開始するようマネージャーに命じたと海外メディアは伝えており、以前から興味を示していたクロヌラ=サザランド・シャークス、セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズ、メルボルン・ストーム、パラマタ・イールズ、ブリスベン・ブロンコスなどが獲得に動きそうだ。
4月上旬には、英国のスーパーリーグ(13人制)に属するサルフォード・レッドデビルズのオーナーが300万ドル(約3億円)のオファーをしたとの報道があったが、マーシャルのマネージャーは英国行きはないことを認めた。
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