関東大学対抗戦と同リーグ戦の交流リーグにあたる関東大学春季大会は20日、開幕した。大学選手権5連覇中の帝京大(対抗戦A・昨季1位)が中大(リーグ戦1部・昨季2位)を82−7で圧倒(東京・帝京大グラウンド)。各リーグの上位3チームによるAグループでの勝点を6とした(敗れた中大は勝点0)。
帝京大は前半4分、敵陣ゴール前右のラインアウトからモールとラックを形成。肉弾戦では中大守備網が踏ん張るも、球が左へ回ると帝京大のSO朴成基があっさりと先制トライを挙げる。21−0とリードして迎えた前半31分には、ラインアウト自陣ゴール前でのターンオーバーからFL服部航介、SH荒井康植、FLマルジーン・イラウアとボールをつないで敵陣の深い位置まで前進。右中間でラックを連取し、最後は左への展開からCTB前原巧がインゴールへ駆け込んだ。SO朴のゴールも決まり、スコアは28−0となる。中大の酒井宏之ヘッドコーチは「(密集近辺の守りで)我慢して、我慢して…そこでBKが(トライを取られる)。それがゲームのキーだったかもしれないですね」と悔やんだ。
相手の鋭いタックルを前にミスやサポートの遅れも目立った帝京大だが、35−0で迎えた後半に7トライを奪う。SH流大主将の日本代表合宿参加などのためゲーム主将を務めたWTB磯田泰成は、この日は通算4トライを挙げた。勝った岩出雅之監督は「新しいチームのスタート。(出来は)いいところも出ているけど、まだまだですね。相手のレベルに左右されず、自分たちの目標としているスタンダードに挑戦して欲しい」。シーズンを締めくくる日本選手権でのトップリーグ(国内最高峰リーグ)勢撃破を目指し、破壊力と運動量を並行して引き上げたいとした。
一方、敗れた松田雄監督は、「1対1でこれだけ負けてしまうと…」とフィジカル勝負での苦戦を嘆きつつ、「出発点としてはいい。これだけ強い相手とどう戦うか。まだ本番まで(時間は)ある」とも語る。シーズンが本格化する秋に向け、春季大会で強みと弱みを具体化させたいところか。
帝京大は27日に帝京大グラウンドで大東大(リーグ戦1部・昨季3位)と、中大は茨城・流経大グラウンドで流経大(リーグ戦1部・昨季1位)とそれぞれぶつかる。