ラグビーリパブリック

東福岡高、選抜V! 幅広ラインで桐蔭学園高を切り裂く

2014.04.08

higashi

決勝で10トライを挙げ、2年ぶり4回目のセンバツ優勝を遂げた東福岡高校
(撮影:TAKASHI TAKASHIO)

<第15回 全国高校選抜ラグビー大会>
東福岡(福岡) 62 − 10 桐蔭学園(神奈川)
(2014年4月7日/埼玉・熊谷ラグビー場)

 キックオフと同時にスコアが動く。東福岡の司令塔のSO松尾将太郎は、自陣22メートル線エリア内左で受けた球を右大外へと広がるBK陣よりも手前側へさばく。NO8山田真生が駆け込み、中央突破。攻撃は敵陣で左から右へと連なり、瞬く間にLO今村陽良が先制した。7−0。
 続く10分、自陣22メートル線付近右のラインアウトから。SO松尾が左へ放ったパスは、おとり役の後ろを越えて逆側のタッチライン付近へ渡る。ここに巧さと速さが長所の面子が固まっており、最後はWTB岩佐賢人が軽やかに駆けた。14−0。
 個々の確かなロングパスが横幅の広い攻撃ラインを機能させる。今季の東福岡の、それが特長だ。起点となるSO松尾は「相手の目で、狙っているところがわかる」。タックラーの人数や視線の向きを把握し、その時々で最適な選択を重ねる。「目」が外側に寄ったと見た後半4分、7分には、自ら直進しトライを決めた。
 かたや桐蔭学園は、「コミュニケーションが不足している」「1対1を強く」と藤原秀之監督。あえて「東福岡対策」を掲げず敗れ、チームの現在地を確認、今後の強化方針を定めるための材料を得たようだ。

(文・向 風見也)

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