男子7人制日本代表は28〜30日、香港セブンズ(香港スタジアム)でのコアチーム昇格決定大会に挑む。これを制すれば来季セブンズワールドシリーズに常時出場できるとあって、2016年のオリンピック リオデジャネイロ大会出場を目指すうえでも優勝は不可欠とされる。2年連続での香港セブンズ出場を狙う橋野皓介(キヤノン)は「チームの流れ、雰囲気はすごくいい」。昨年度も出場しながらコアチーム入りを逃した香港セブンズでのリベンジに向け、前を向いた。
23日、東京・秩父宮ラグビー場での東京セブンズの大会2日目。9〜16位を争うボウルトーナメントで、橋野はチームが参戦した全2試合に先発した。
ウェールズ代表戦との準決勝では延長戦の末に19−24で敗れるも、自身は前半1分にロマノ・レメキ(ホンダ)の先制トライを導く。果敢な仕掛けで敵陣22メートル線を突破。相手に捕まるや手元のボールを右へ転がし、拾わせた。接点周辺に多くの人が集まる15人制ではリスクのあるプレーとされるが、かねてから代表に選ばれ続けセブンズを経験してきた橋野は、「タックルされてコケた時、後ろからロマノが呼んでいるのはわかっていた。前に相手がいないのも見えたので、ゴロでもいいから投げよう、と」と笑った。
サモア代表を42−12で制した準々決勝では、スペースをえぐるキックで多くの得点を生み出した。前半4分には敵陣中盤左中間でパスを受けるや右大外へ蹴り出し、瞬足の渡邊昌紀(リコー)を走らせる。最後はロテ・トゥキリ(北海道バーバリアンズ)がトライラインを割り、直後のコンバージョン成功でスコアは14−0となった。試合終了直前にも、橋野はキックでだめ押し点を演出した。敵陣22メートルエリア左中間から中央へ高いパントを上げ、福岡堅樹(筑波大2年)のランをお膳立てした。
「裏にスイーパー(最後尾をカバーする選手)がいなくて、キックを追いかける足の速い人間が外にいれば…。これまでのジャパンはあまりキックを多用しなかったんですけど、今回は裏にチャンスもあったので。追いかけっこなら、日本のWTB(渡邊、福岡)は負けない」
坂井克行主将(豊田自動織機)とともにSHやSOを任される橋野は、「ボールを動かすとコアチームのディフェンスも崩れる。(東京セブンズで)日本の戦い方が見えた。自信は持てた」とも語る。
「皆のキャラクターがわかり合えている。7人の意識の共有…やることを徹底できれば。自分自身も、去年はセブンズを知らなかった。でも1年間、いろいろな経験をして15人制と全然違うスペース感がわかった。(7人制では)前に仕掛けるだけではなく、1歩、後ろに帰ったら、新しいスペースができたりもする…そういうところを学んできました」
チームは24日、13名で現地入り。大会登録メンバーの12名は追って決まる。