勝てばプールBの2位となり、カップ戦進出を実現できた。「歴史を変えよう」と全員で胸に誓ってピッチに飛び出たけれど…。
『TOKYO SEVENS 2014』初日、ジャパンの第3試合。ケニアと対戦したジャパンは7-12で敗れ、プールBで4位となった(アルゼンチンと勝点で並ぶも総得点で及ばず)。
必勝で臨んだこの試合。開始4分50秒で先制トライを奪われた。反則から速攻を仕掛けられての失点。序盤に藤田慶和のしつこいタックルからターンオーバー、ゴール前まで攻め込んで得点できなかった後のディフェンスで守りきれなかった。
さらに前半終了間際にも失点する。こちらも、敵陣深くまで攻め込んだ後だった。インゴールに向けて蹴ったボールを競る。しかし相手に渡る。そこからの切り返しを防ぎ切れなかった。
0-12とされたジャパンだったが、後半のアタマは自分たちの時間にした。自陣で得たPKから仕掛ける。渡邊昌紀の走りで前進後、はやく、大きくボールを動かし続け、さらに反則を誘う。最後は藤田がインゴールに飛び込んだ(ゴールも決まり7-12)。
しかし、5分以上の時間を残しながら、スコアは最後まで動かなかった。ジャパンは何度も攻めたが、詰め切れない。走りきれなかったり、ミスが出たり。瀬川智広ヘッドコーチは、「ボールを動かし、目指すスタイルを実現したときにはラインブレイクもできた。ただ、その後のボールがスムーズに動かなかったり、サポートが遅れてしまった」と語り、壁を越え切れないもどかしさを口にした。
「外にボールを運びたいのに、途中で仕掛ける者が出るケースもあった。ゲームを重ねる中で改善されたところはありましたが…。この敗戦を明日につなげたい」
ワールドシリーズを転戦しているコアチームを相手に、戦える部分があることを証明した大会初日。その一方で、両者の間に横たわる差も痛感した。
前半の最後。終盤の勝負どころ。ゲームの肝となる時間帯に得点するのは、必ず相手チームだった。
「こちらが得点したいところでやられる。もうひとつディフェンスで粘れていれば…というところもたくさんあった。強国同士の試合展開では、互いの攻防が長く続く。でもジャパンは点を取るときも与えるときも簡単なケースが多い」
その場その場のプレー選択は、選手の判断を尊重する。ただ、結果が得点か失点かの両極端ではいけない。
「点を取れなくても失点はされない。そういったことが大切」(瀬川HC)
そこに必要なのが、チャンスとピンチの共有であり、チームとしての総合力だ。コアチームの国々はそういうシーンを何百回も経験して、この芝の上に立っていた。
2日目はボウルトーナメントに進み、初戦(準々決勝)でサモアと戦う。経験が足りないと嘆いていては、明日も善戦止まりになる。理解のはやさと対応力、そして粘りと結束を、ジャパンの強さとして示してほしい。