(撮影:松本かおり)
この日いちばんの興奮がスタジアムに漂った。『TOKYO SEVENS 2014』の初日、ジャパンの初戦の相手はアルゼンチン。前半を14-0とリードした桜のジャージーだったが、最後の最後に追いつかれ、14-14の引き分けに終わった。
開始30秒過ぎ、先制トライを奪ったのはロマノ・レメキだ。自陣でラインブレイクし、長い距離を走り切った。
「外のディフェンスが前に出ていたからカットインで抜いた。ビッグゲームが好きなんだ。緊張もない(笑)」
自分の子どもが見守る中、思い切りプレーした。
レメキは3分50秒過ぎにもトライを奪う。この時はしつこく守った粘りから始まった。相手の反則を誘う。ボールがタッチに出たらクイックでスローイン。攻め続けて、レメキが隙を突いた。
しかし、ジャパンはリードを守れなかった。後半終了間際にトライ、ゴールを決められて差を詰められる。そして、ハンドリングミスなどで追加点を奪えぬ中、残り僅かな時間で追いつかれた。攻撃が乱れ、ピッチに跳ねたボールを拾われ、走り切られた。場内の時計は、残り時間を13秒と表示していた。
途中出場の福岡堅樹は予定されたプレーからキックチェイス、惜しいプレーもあったが、ボールが手につかないシーンもあった。チーム全体に足りなかったのはハードなタックルだ。レメキも「相手はハンドオフをどんどん使ってくる。それに負けないタックルをしないといけない」と語った。
瀬川智広ヘッドコーチは、「展開が展開だけに満足していない」と言った。また、気負い過ぎでミスにつながったとも。切り替えも実力の一部であるセブンズ。初日の残り2試合でベストパフォーマンスと一貫性を実現したい。