ヨーロッパの強豪6か国による「シックスネーションズ 2014」は現地時間15日、最終節の全3試合が行われ、首位に立っていたアイルランドがフランスとの激闘を22−20で制し、5年ぶりの優勝を遂げた。イタリアを52−11と圧倒したイングランドが4勝1敗で並んだものの、総得失点差(アイルランド +83、イングランド +73)でアイルランドが上回った。
敵地パリでの最終戦に臨んだアイルランド。2009年大会以来の優勝がかかった大一番であると同時に、テストマッチ通算141試合目の出場となる世界最多キャップ保持者のCTBブライアン・オドリスコルが約15年間続いた代表キャリアをこの試合で終えるため、必勝を期した一戦だった。
序盤にペナルティゴール(PG)2本を許したアイルランドだったが、前半20分にSOジョナサン・セクストンがトライを奪うと、その5分後にはスクラムからの攻撃でSHコーナー・マレーが抜け出し、WTBアンドリュー・トリンブルにつないで逆転する。
その後、フランスがキックパスを使ってトライをもぎ取り、アイルランドは再び追う立場となったものの、後半の46分、WTBトリンブルのビッグゲインでゴールラインに迫り、素早いリサイクルからSOセクストンが抜けてゲームをひっくり返した。さらにPG追加で、22−13とリードを拡大。
それでも、ホームで負けられないフランスが意地を見せ、1トライ1ゴールが決まって2点差となる。69分のPGチャンスを逃したフランスだったが、78分、怒涛の連続攻撃からNO8ダミアン・シュリーがインゴール右隅に飛び込んだ。これが認められればフランスの逆転勝利で、すでに試合を終えていたイングランドに栄冠が渡るところだったが、ビデオ判定でラストパスはスローフォワードだったことが確認された。
その後、フランスが敵陣22メートルライン内でスクラムをターンオーバーしたものの、アイルランドが必死に守り切り、ノーサイドの笛。グリーンジャージーの男たちがオドリスコルを中心に、歓喜の抱擁を交わした。
敗れたフランスは3勝2敗(得失点差 +1)で4位に終わった。
3位はウエールズ。3連覇を逃したが、地元での最終戦でスコットランドを51−3と圧倒し、3勝2敗(得失点差 +43)という成績だった。
来年のワールドカップに日本がアジア予選枠から出場した場合、同組で戦うこととなるスコットランドは、今年のシックスネーションズを1勝4敗でフィニッシュ。暫定的にヘッドコーチを務めていたスコット・ジョンソン氏はディレクター職に専念し、現在フランスのクラブチーム(クレルモン・オーヴェルニュ)で目を光らせているヴァーン・コッター氏が6月からスコットランド代表の指揮を執る予定だ。
そして、スクラムの強さを発揮しながらも0勝5敗で最下位に終わったイタリアは、気持ちを新たに、6月に来日して日本代表と戦う。
【シックスネーションズ 2014 順位表】
http://rugby-rp.com/n_league.asp?code_s=100010001001