今季トップリーグを制したパナソニックが2冠達成に王手をかけた。3月1日、第51回日本ラグビーフットボール選手権大会の準決勝（東京・駒沢陸上競技場）で神戸製鋼と対戦し、46−5と圧倒した。
ペナルティゴール2本で序盤をリードしたパナソニックは、ゲームの主導権を握り続け、21分にはCTB霜村誠一がトライ。36分に、相手SO正面健司にキックを使った個人技で5点を返されたが、13−5で迎えた後半もボールをキープし、トライを量産した。
43分にパワフルなNO8ホラニ龍コリニアシがゴールラインを越えると、47分には中央突破したWTB北川智規が60メートル以上を独走。59分には敵陣深くで、WTB山田章仁が相手パスを足でカットするファインプレーでトライに結びつける。71分にモールで押し込み追加点を奪うと、終盤にもWTB北川が走り切り、トップリーグ王者の力を存分に見せつけた。
2季連続の日本選手権ファイナル進出とはならなかった神戸製鋼。苑田右二ヘッドコーチは、「オプションをうまく使えず、単調になってしまった」と完敗を認めた。LOの伊藤鐘史ゲームキャプテンは「相手のディフェンスは組織的で強かった」とコメント。「次を予期して動くことがまだ足りていない。そのあたりがつながっていけば、個々の力をもっと発揮できるはず」と来季のリベンジを誓った。
一方、勝った中嶋則文監督は「試合の間隔があいていたが、選手たちが自分たちのラグビーをよく理解してプレーしてくれた結果」と選手を称えた。そして、東芝との対戦が決まった決勝に向けて訊かれると、「勢いのついた東芝はこわい。自分たちのスタイルをどれだけ出せるかにフォーカスして、いい準備をして決勝に臨みたい」とコメントした。
また、スーパーラグビー参加のため渡豪した堀江翔太主将の代わりにゲームキャプテンを務めた北川は、「（ゲームの）入りを意識して練習してきた」と、プラン通りの快勝劇に笑顔。今季最後の頂上決戦に向けては「自分が入社以来、結構、東芝には決勝で負けているイメージがある」と気を引き締めていた。