ラグビーリパブリック

福岡堅樹別メニュー…も、「よりはやく」のため。 男子セブンズ、着々と。

2014.02.26

fukuoka

(撮影:井田新輔)

 福岡堅樹がひとり離れ、別メニューに取り組んでいた。
 隣には新任のディーン・ベントン セブンズ ストレングス&コンディショニングコーディネーター。同氏の声に合わせ、テンポよく膝を上げ、前進。いろんなメニューをくり返した。

 2月20日から千葉県内でおこなわれている『男子セブンズ 2013年度 第12回セブンズシニアアカデミー』。セブンズ・ワールドシリーズの東京セブンズ、香港セブンズに挑む7人制日本代表の候補合宿は2月26日もおこなわれ、実戦形式のアタック&ディフェンスをくり返した。瀬川智広ヘッドコーチが言う。
「15人制のシーズンを終えた選手たちが加わってきています。この合宿のテーマは『走る』です。いまはセブンズの走る展開、はやい展開のラグビーに慣れることを目的に練習しています」
 ベントンコーチの存在で、はやさに磨きをかけていることを明かした。

「これまでは、どちらかというと走る量にこだわってやってきていましたが、彼がチームに加わってくれて、そこに質も加わった。スプリントのスペシャリスト、スピードをあげることに関しての専門家です。これまで以上のスピードで動き続けられるチームにしようとしています」
 1分間に動く距離は、これまでが平均150〜180メートルなら、「いまは2分間動き続ける中の50パーセント以上が1分190メートルのはやさ、強度を保った動きになっています」(瀬川HC)。各練習メニューは2分間枠で組み立てられ、スピードとフィットネスの両輪を求める。セブンズの実質のプレー時間は約7分。高速ラグビーの展開をできるだけ多く続け、勝利を引き寄せるイメージだ。

 その方向性の中での『福岡堅樹別メニュー』だ。
「彼のスピードは魅力です。一生懸命取り組んでくれている。ただ、セブンズにはまだ慣れていないので、怪我の防止も含めてこちらがコントロールしてあげる必要がある。(ベントンコーチによると)走るフォームも、少しなおした方が余計な力も必要なくなるし、ロスも減る。その分、何度もトップスピードで走ることができるようになる。それを考えての別メニューです」

 3月、大会前にも合宿をおこなって、選手のセレクションとチームの戦い方を高めていく青写真がある(日本選手権トップ4チームからも数人加わる予定)。コアメンバーでもある坂井克行や桑水流裕策、ロテ・トゥキリらに加え、福岡、藤田慶和ら15人制ジャパンのスピードスターもセブンズに取り組み、いわばドリームチームを結成してでも勝利を。そして、世界のコアチーム入りを。そのためにも、土台をより大きく、より安定感を高める日々を送っている。

 キャンプでの主将役を務める坂井は、参加選手に呼びかけている。
「互いの特徴を理解し合うためにも、自分のキャラをどんどん出していこう。そう言っています。そして、足を動かし続けることを意識しようと。
 とにかく(東京セブンズでは)初日に2勝することが大事。それを達成できない限り、ベスト8の戦いには加われない。最初から力を出すためにも、そういうことを言い続けていきたいですね」
 東京セブンズ(3月22日、23日)まで1か月を切った。チームの歩調も、選手たちの胸の内も、熱が高まり始めている。

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